ケモミミ生活 ~獣耳作品情報ブログ~

獣耳のいる生活をはじめてみませんか?
獣耳キャラクターに関連する最新情報と懐かしい情報を織り交ぜて紹介していきます。

※世界で唯一(?)の獣耳評論サークル・S猫出版部のブログです。
※『総解説・猫耳史』『総解説・狐耳史』『総解説・兎耳史』等を頒布しています。
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価値観が全く違う「食用うさぎ」の世界を覗き見る・・・『円環のラパン』1巻

大きな邸宅で、優しい「父」に何不自由なく大切に育てられているウサギたち。
彼らの一番の望みは「お父様に食べてもらうこと」。

この異質な価値観の世界で、一匹だけそのことに疑問を持ったウサギ、テディがたどる運命は・・・!
美麗で可憐で異様なダークファンタジー『円環のラパン』の初単行本が1月15日より発売中です!

テディは幼い頃に親に捨てられ、孤児院で生まれ育ったウサギ。
他の孤児たちは茶色系のウサギですが、テディは白い耳、青白い肌、赤い目という皆と違った容姿をしていたため、ずっといじめられていました。

ある日、テディの「父」が彼を迎えにきます。
昔ある事情があってテディを手放さざるを得なかったのだと説明する父。
今後は父の所有する豪邸で、他の兄弟たちと一緒に暮らそうと提案します。

常にいじめられていた孤児院の暮らしとは打って変わって、父の豪邸で穏やかで満たされた生活を開始するテディ。しかし、自分と似た姿をしたやたらと大勢の「兄弟」がいること、兄弟たちが食事のたびに不審な挙動をする点に、テディは違和感を覚えていました。

そして、兄弟で一番仲良くなった「アデル」の発言を聞いて、違和感は決定的になります――彼は「お父様に食べてもらうこと」が夢なのだと!

この異様な価値観に納得できないテディがとった行動は――

※ ※ ※

たぶん本作のあらすじを読んで真っ先に思い浮かぶのは、藤子・F・不二雄氏の名作短編『ミノタウロスの皿』。

登場するウサギたちが「食べられる」ことに疑問を抱いていないどころか、名誉なことだとすら考えている点は同様ですが、『円環のラパン』ではこのテーマを軸に、さらにもう一段階踏み込んだ内容を描いていてかなり面白いです。

最終的に食べられている?死んでしまっている?かもしれないテディとアデルの人生(兎生?)を何度も仕切り直しながら、その繰り返しの中で、徐々にこの歪んだ世界から逃れる術を模索していく物語構成は見所です。

※ ※ ※

ウサギ耳キャラクターは恋愛性的な意味合いで「食べられる」というネタにされることもありますが、食欲的な文字通りの意味で「食べられる」対象になってしまうこともしばしばあります。
例えば、東屋めめ『擬似親子四コマ』はまさにそういった「食べる狼と食べられるウサギ」の関係を描いた作品でした。


現代の主要な五大ケモミミ――猫・犬・狐・狼・ウサギのうち、ウサギだけが食べられる側の草食動物(他は肉食動物寄り)という事情があり、ウサギ耳は他のケモミミとは違う特殊な役を演じることがあります。

本作『円環のラパン』では、食べられる側のラパンたちがウサギ人間の姿をしていることで、彼らが「食べられてしまう」運命(変えがたい)をより強調している印象です。



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とてつもなく変態的な状況だけど、なんかカッコイイ!!『搾り取らないで、女商人さん!!』10巻

何度も何度も迷宮に挑んではやられまくる、超ヨワヨワの少年冒険者・ラビ!
そんな彼を、自慢のマジックアイテムで助けてあげる、と押しつけがましく彼に助力してきたケモミミ女商人・フィロ。
でも、フィロも相当のダメダメ冒険者で、毎度のようにアイテムのせいで状況が悪化する始末。

とはいえ、そんなヨワヨワダメダメのコンビでも、持ち前の勇気とひたむきさで様々な冒険を潜り抜け、ついにはラビの母親が行方不明になった迷宮の深層に足を踏み入れつつありました。

そこは敏腕冒険者でも到達することが難しい場所。
ラビの姉コニーは、弟ラビがあまりにも危険な冒険にのめり込んでいることを問題視し、彼の冒険をいい加減やめさせようと強引な実力行使にでます!

1巻まるまる壮絶な姉弟げんか!意外なカッコ良さが謎の感動を呼び起こします!!
むちむち&身長差シチュ極振りギャグマンガ『搾り取らないで、女商人さん!!』の最新10巻目が1月7日より発売中です!
フィロが取り扱う怪しげな商品の中でも、最大級の防御力と最悪な見た目を誇る「ビキニアーマー」を着用して、チート級の能力を持つ姉と激しく渡り合うラビ君!

どの場面を見ても、絵面は変●仮面といった感じでことごとく酷い(褒め言葉)ギャグになっているのですが、展開や内容自体はシリアスで時に感動すらしてしまうのは、本当に凄い作品だと思います。

ラビ君が凄くフィロのことを想っているのが分かる展開もマル。
この話でラビに戦う力を与えている「ビキニアーマー」も、1巻の4話という、二人が出会ったばかりの頃に出てきた「思い出のアイテム」という点で、二人の絆を示しているようで凄く良い。
とにかく絵面は酷いですが!

今回、本編の方は物語を進めることに集中しているためフェティシズムが抑え目ですが、その代わり番外編では「虫に責められる」「人形化」「真空パック」「ギャルぴ化」「BL風ラビ責め」と豊富なフェチ・シチュエーションがでてくるので、本作にそのあたりを期待している人にも満足の巻かと思います。

※ ※ ※

ケモミミブログ的に注目は、反抗する弟ラビへの怒りによってハイパー化(?)した姉コニーに兎耳が生える点。

ラビ君は名前と小動物的な見た目のイメージの通り、兎として擬獣化されるパターンが多かったのですが、コニーも「ラビと姉弟」という関係性で兎のモチーフを持つようになっている点は面白い。
マンガにおける獣耳の機能の一つとして「同じ獣耳を持つ者は同族であることを示す」効果があるのですが、本作はそれが表現されている一例ですね。
(他の例として、『はたらく細胞 猫』のがん細胞の描写

「ケモミミ獣人の女商人さんが好き」というラビの恋愛傾向について、「ケモナー」が侮蔑語として使われている点(でもそもそもケモナーであることに何も問題はないような気がする点)は、場面がシリアスであるがゆえによく考えると可笑しい、という高度なギャグになっています。

猫耳アンドロイドが盆栽する!意外と適役かも・・・『盆百千栽』1巻

自分がいなくなった後も大切な盆栽と共に生き続けて欲しい――その主人の言葉を頑なに守り続け、誰もいなくなった館で植物の世話を続ける猫耳娘型ロボット。

彼女(?)自身はあくまで主人の最後の命令を遂行し続けているだけで、その意味というものを認識していませんが、彼女の行動は周囲にいる他の人間に大きな影響を与えていくのでした。

猫耳とSFと盆栽!を組み合わせた、切なくも心温まる漫画『盆百千栽 人類の寿命はたかだか100年ですが機械の私は1000年生きられるのであなたが居なくなってもこの場所で一人生きていきますからご心配なく』の初単行本が12月23日より発売中です!

家事全般汎用アンドロイド「カンナ」は、盆栽・園芸好きな「先生」の想いを継いで、先生亡き後も居館「季風園」の大量の植物の世話を続けています。
先生の想いとは、数十年あるいは数百年の長い年月をかけて作り上げる植物の風景は、技術で作ることができない「真の時の流れ」を表現し、その表現を誰かに届けることができるはず・・・ということ。

ロボットであるカンナはその言葉に含まれる情緒を理解したわけではありませんが、先生の言葉に忠実に植物の世話をし続け・・・すでに永い時間を過ごしてきました。
任務遂行のために園芸について膨大な自己学習と経験を積み続けてきたカンナのその能力は、他に並ぶ者のいない園芸の匠といって良いほどの域に達しています。

そのためか、最近は植物について困りごとのある人間が、カンナに相談を持ち掛けてくるようになったわけですが――

※ ※ ※

猫耳アンドロイドと盆栽、は最初意外な組み合わせだと思ったのですが、「作品」として完成するまでに年単位、時には数十年単位かかる盆栽を見守り続ける存在として、アンドロイドという存在はまさに適役なのだと感じさせられました。そういう長い時の移り変わりを自分の経験として語ることができるのは、機械ロボットかエルフみたいな長寿命の存在に許された視点ですしね。

本作、盆栽や園芸を十年来の趣味にしている作者が、その盆栽趣味の「雰囲気」を表現するために生まれた「ファンタジー」とのことで、カンナがロボットであるというSFの部分はあくまでサブ要素なのだと思いますが、カンナの時間感覚や他人に対する接し方の異質さがなかなか際立っていて、SFロボット物としても非常に面白い作品になっています。

カンナは人間のような美意識を持たないのですが、人間の美意識で判定される「評価基準」に関するデータは豊富に持っているため、彼女の語りがある種の感情豊かで気難しい芸術家のようになってしまっている点など、AIと芸術の境界について考えさせられたりしますね。

※ ※ ※

ツンとしたクールな印象だし、メイドさん姿のケモミミなので、とりあえずカンナのことを「猫耳」と表現していますが、作中では今のところ何の動物をモチーフにしたロボットなのかは言及されていません。

一つ注目すべき特徴が、(一見したところでは)尻尾が無い点。
猫耳娘型アンドロイドの作品だと『紅殻のパンドラ』もそうですが、ロボットベースの猫耳キャラクターは尻尾が無いパターンがわりとあるのですよね。

これはSFのアンドロイド物でしばしばある「本物の人間と区別がつきやすいように、分かり易い目印をアンドロイドに付ける」という要素の一環として、一番目立つ頭の上に獣耳が付けられるからではないかと。
身体の後ろにあって確認しづらい尻尾はその目的に合致しないし、元々人間には無い物なので無理に付ける必要もないし・・・ということで、アンドロイドとしてケモミミキャラが作られる際にはオミットされやすいパーツなのかなと考えます。



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