ケモミミ生活 ~獣耳作品情報ブログ~

獣耳のいる生活をはじめてみませんか?
獣耳キャラクターに関連する最新情報と懐かしい情報を織り交ぜて紹介していきます。

※世界で唯一(?)の獣耳評論サークル・S猫出版部のブログです。
※『総解説・猫耳史』『総解説・狐耳史』『総解説・兎耳史』等を頒布しています。
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新刊情報(漫画)

化け狐の話も女子高生らしい話題。『セントールの悩み』25巻

【六本肢】で進化した人類の、いたって普通(?)な現代社会を描く『セントールの悩み』、新たな単行本25巻目が好評発売中です!

今回の表紙は女子高生サスサス&戦闘準備OKな巫女真奈美。
どちらも超人的にしっかりしている優等生なためか、意外と直接二人がやりとりしている場面を見ない気がするので、珍しい組み合わせかも。

今回のラインナップは次のとおり。
 「嘘吐き蛇とすえちゃんの話」
 「民俗学部に入部希望者!?の話」
 「真奈美vsゾンビの話」
 「すえちゃんがちょっと成長している話」
 「女子高生らしいブラックホール生物の話」

最後のブラックホール生物の話は、23巻の「羌子が兄カップルの進路対策する話」から引き続き、もの凄い宇宙的スケールの話が姫乃たちの日常とシームレスで繋がっている感じがとてもとても良いです。こういうタイプのSFは近年は日本でも海外でもあまり描かれないので稀少価値が高い。

あと一応日常モノらしく、少しずつですが「年月が進んでいる」感じが表現されているのも良い感じです。
今回特にそれを感じるのがすえちゃん周りの話。すえちゃん連載当初は本当に「赤ちゃん」といった雰囲気だったのですが、今やだいぶ成長したな~と感じられます。こういう感覚を味わえるのは連載が長く続いているからこそですね!

※ ※ ※

今回注目した描写。
姫乃たちの高校の後輩・狐栗鼠兎寺(こりすとでら)の家が古い寺で、獣の棲み処になっているという話題がでた時に、狐栗鼠兎寺が狐の真似をする場面。
手を招き猫っぽく若干丸める感じで「化け狐」を表現している
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『セントールの悩み』25巻P27(村山慶/徳間書店)


この仕草は確かにこちらの現実世界でも「狐」を表現する時にやるかもしれませんが、たぶんこちらの世界では「狐の手」を表すよりも先に何らかの形で「狐の耳」を表現するのではないかと思うのですよね。(頭の上に両手をやるなど)
でも、この『セントールの悩み』の世界の人間たちは普通に獣耳が頭の上にあるので、「狐」を表現する時に狐耳の形を示す必要がないという・・・。

『魔王様に召喚されたけど言葉が通じない。』における獣耳娘ペチカが聞き返す仕草のように、「本物の獣耳があるせいで、よくあるジェスチャーが現実世界の人間と異なった仕草になる」表現が描かれていると、ケモミミ漫画ならではで興味深いですね!

※ ※ ※

この25巻は「獣耳に眼鏡」に関しても興味深いシーンが存在しているのでメモメモ。




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ウルフ兄姐ちゃんは巻数を経てTS化が進行している感じがする・・・。『怪人開発部の黒井津さん』8巻

世界征服を狙う「秘密結社アガスティア」で、日々、強力な怪人を生み出すべく努力している黒井津さん。
そして、その黒井津さんに気に入られようと日夜、彼女の手伝いに精を出すTS狼少年(≒少女)怪人のウルフ君。彼は最近、黒井津さんの過去をよく知らず、表面的な関係しか結べていないことに悩んでいました。

そんな折、謎のブラックホール怪人「イヴィルクローバー」が時空を超えて黒井津さんの精神に干渉し、ウルフ君はその除去を行う過程で、黒井津さんの過去を知ることになりますが――

ヒーローvs怪人物らしくかなりシリアスになってきた秘密結社コメディ『怪人開発部の黒井津さん』、新刊8巻目が発売中です!

黒井津さんはなぜアガスティアに入社したのか?
そもそも彼女は何者だったのか?

そして、どうして別組織の怪人に彼女が狙われることになったのか?

――秘密結社のさらに裏で暗躍する、真の黒幕の影。
様々な謎が絡み合い、混迷の度が増していく9巻です!!

※ ※ ※

黒井津さん、若い学生の頃は平凡すぎるがゆえのコンプレックス持ちで、その後ヒーローとして活躍して、さらに今は悪の秘密結社に転身して技術者・・・って、属性盛りすぎな感じですね!
でも、これだけ属性盛っても、キャラクターとして破綻が無い上にちゃんと魅力として機能しているのが素晴らしい。
流石、本作の主人公という感じ。

あと、アガスティアの転職面接の場面で、しっかり面接官の絶対零度参謀メギストスが「開発がどうあるべきか」の理想を語っているところが良い。
本作、お仕事物として「仕事に誇りを持っている人」を茶化さずに描いているところはとても好印象です。
(さらに面白いのは、黒井津さんが仕事に夢を持てば持つほど、ウルフ君は「仕事上の理想の成果物」となり、恋愛対象として見られなくなっていくというジレンマがあるんですよね。巧い設定)

※ ※ ※

今回のウルフ君。
ブラックホール怪人との戦いでリソースを使い果たし、一時的に動物狼形態になってしまいますが、ここで面白いのは、心の中で思い浮かべる自己像が女の子なんですよね。
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『怪人開発部の黒井津さん』8巻P11(水崎弘明/フレックスコミックス株式会社)


ウルフ君は元々男子の心のまま、女怪人の肉体に組み込まれたという経緯だったはずですが、巻数を重ねて女子として過ごしすぎた結果、自己像が女の子になってしまっているのかなと想像したり。1巻の頃は心の中で思い浮かべる自己像は男だったのですが。
最近は「可愛い」って言われてわりとまんざらでもない場面をしばしば見ますし、内面的にも女子化が進んでいるのかもしれません。

※ ※ ※

番外編のネタ。
ゲーム発表イベント会場なら、大勢の一般人の前でもウルフ君はケモミミ尻尾出したままで全然平気!というのは、本当に時代の流れを感じますね~

2010年以降のケモミミ作品では、ケモミミ尻尾を一般人に見られたとしても、「コスプレ」で押し通して、ほぼ問題にならないという流れが普通になっています。


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貴重なネコミミ枠が恐竜にやられた・・・でも!『キリングバイツ』23巻

獣化手術によって獣の力を得た「獣闘士」たちが激しくぶつかり合う「牙闘(キリングバイツ)」。

その決勝トーナメント「牙闘獣獄死(キリングバイツサドンデス)」まで勝ち残った「普通の愛玩犬」でしかない「媚戌(ビーグル)」の戌井純(いぬいぴゅあ)は、「大熊猫(ジャイアントパンダ)」「象」といった地上最強クラスとの生物とも対等に渡り合っていきます!

意外な「犬」の強さに、皆が彼女を見直し始めたその時、ついに「牙闘」を破局に導く事態が訪れますが・・・!

辰年だから恐竜も出てくる獣人バトル漫画『キリングバイツ』の最新23巻目が2月28日より発売中です!
前半は「象(エレファス)」・沙原璃王と「媚戌(ビーグル)」の戌井純の死闘。
後半は「全人類竜化計画」によって大氾濫する恐竜獣人(ザウラント)と、現地球生物獣人たちの闘いによって、大会が完全に破綻していくまでが描かれます。
恐竜獣人の話は、ちゃんと地球史上の大絶滅のネタに絡めているのが本作らしくてとても良い!

やっぱり面白いなあと思うのが終盤で描かれる「虎(ティガ)」と「獅子(レオ)」の強さの違いに関する表現。
トラは単独行動の狩りで、ライオンはチームワークによる狩り、というのは本作に限らずよく語られる違いですが、「トラとライオンは戦いの動機が違う」という視点で語っているのは初めて見たので凄く興味深かったです。

動物に詳しくて動物漫画を見飽きている人でも、本作ならきっと新しい視点が得られると思うのでぜひ読んで欲しいですね!

※ ※ ※

今回もわりとケモミミ成分があります。
が、役割としては、恐竜獣人に襲われたり食べられたりといったやられ役・・・。
可愛いネコミミ枠として「牙闘獣獄死(キリングバイツサドンデス)」を引っ張ってきていた実況の「尾短猫(ボブテイル)」邑田でしちゃんも恐竜の餌食になってしまいます。悲しい。

とはいえ、23巻の最後に、ケモミミ枠の活躍を予感させてくれるコマが配されていますので、今後の展開に大いに期待ですね!!

実は一種の現代的化け猫ホラーなのかもしれない。『アタマのナカの鈴せんぱい』3巻

人とのコミュニケーションが苦手な九段少年は、頭の中に完璧な理想の女の子「鈴せんぱい」を作り出し、長い間彼女とともに日常生活を送ってきました。
しかし、優等生なのにパパ活をしていたクラスメートの神田さん、可愛いのにオタトークがひどすぎて避けられていた変な付け耳少女・中野さんといった現実の女の子たちと、思った以上に深く関係を持ってしまったことで、九段少年の中の理想と現実のバランスがどんどん崩れていってしまいます。
そして、今回ついに・・・!

妄想系カノジョとの青春生活漫画『アタマのナカの鈴せんぱい』、急転直下の完結編3巻目が2月22日より発売中です!
人付き合いが極端に苦手で孤独な中学生・九段少年は、女の子と一緒に遊びたいという欲求が極まって、現実のオカルト人造精霊生成術としても知られるチベットの秘儀「タルパ」を実践し、完全な想像上の彼女「鈴せんぱい」を生み出しました。

他人には見えない一種のイマジナリーフレンドであっても、それはそれで幸せに完結していた・・・はずの九段少年ですが、現実の女の子・神田さんと思った以上に深く関わってしまったことで、「現実とは別の想像上の神田さん」がタルパになってしまうという予想外の事態が起きてしまいました。

タルパを持つ九段少年をそれゆえに面白がる女の子・中野さんがやたらと関わって来るようになった上に、今回もう一人、彼からタルパの生成法を教わりたいという新たな女の子・蔵前菜々が現れて、それゆえに九段少年の中の「鈴せんぱい」の像が揺らぎます。

そして、現実と理想がせめぎ合った末に、予想だにしない事態が起きてしまうのでした――

※ ※ ※

妄想の世界で生きる二次元愛の少年が、現実に打ちのめされる感じのほろ苦い青春の物語になるのかな~・・・と甘い予想をしていたのですが、本作、予想していなかった方向に話が転がっていきます。

特に付け耳少女、中野さんの存在の不気味さ加減がなかなか凄い。

過去の記事でも言及していますが、単なるコスプレでなく常に猫耳を付けている「付け耳キャラ」は、誰に何を言われようと強固なアイデンティティを主張するタイプなので(そうでないと常に猫耳を付ける、なんて変な恰好をできるはずがない)、終盤でああいった役になるのもある意味納得できる部分があります。

本作、鈴せんぱいも猫口八重歯だったり、語尾に「ニャ」を付けて喋ったりと猫っぽさがある女の子なので、中野さんと含めて、全体がある種の「化け猫(っぽい女の子に破滅させられる)ホラー」になってると言えなくも無いんですよね。

※ ※ ※

本作の作画は、定期的に可愛い猫っ娘ちゃんによるほんわか日記を描かれている「ゆめつきママ」さんなので、女の子たちの絵も全体的にとても可愛いのですが・・・・

不気味な場面では、しっかり「不気味な女の子(?)」を描かれているのが、作風の幅が広くて流石だと思いました。伊藤潤二を彷彿とさせる、生理的嫌悪感を催させる絵がとてもとても良いです。

X(Twitter)の日記でしかゆめつきママさんをご存じない方は、ぜひ本作の作画も見て頂けたらなと思います。



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猫の日を機会に、良質の猫耳メイド成分を摂取しよう! 『エレナの炬火』2巻

猫耳メイドに定評のある、れおはりう氏改め小板玲音氏が『青騎士』で連載中の『エレナの炬火』。
待望の単行本2巻目が2月20日より発売中です!!

これまで連載分についていくつか感想書いていますので、各話の詳細は下のリンクへ。


単行本では最新話である第10話と、エレナの友人サナが語るイントロダクションが追加されています。

私が特に一読をオススメしたいのは第9話。
子供ながらに紫蘭館の仕事を頑張る双子姉妹スオラとソケリの話ですが、第9話の時の記事でも書いたように、この9話を読むことで過去の回でスオラとソケリの登場している場面の見方が変わるんですよ!
区別がつかないくらいそっくりな二人だと思っていたのが、二人とも結構違うことに気付く。
未読の人はぜひ1巻の最初から読んで、この感覚を体験しましょう!
※ ※ ※

残りの第10話は戦争の外傷で7年間眠っていた男性が目覚める話。
紫蘭館の皆が浮ついたのもつかの間、男性は何かに思い悩み、これ以上治療やリハビリを受けることなくとにかく故郷に帰りたいと意思表示をします。
皆が「彼は死にたがっている」と予感する中、エレナが館を代表して、ヴィーリとともに男性を故郷まで一旦送ることにしますが――

「死にたがっている人に対して何ができるか」という、またも非常に重いテーマを真正面から描いた話です。
答えが見いだせない息の詰まる雰囲気が続く話なのですが、その雰囲気を猫耳・尻尾成分が中和して、読みやすくしています。(特に尻尾のみ描かかれているコマの効果が良い)

第1話の感想でも書きましたが「猫耳漫画」であるおかげで、より多くの人にこの作品のテーマが届くようになっていると感じます。猫耳の一つの効用はまさに「とっつきづらい話を読みやすくする」所にあるのですね!

※ ※ ※

物語の雰囲気と仕掛けが素晴らしくその部分だけでも一級の作品ですが、
内容の80%くらいの絵がクラシカルな猫耳メイドなので、美麗で可愛い様々な猫耳っ娘たちの姿を堪能するだけでも、本書の価格の数倍くらいの価値があります。
猫耳メイドが好きな人は迷わず買いです!
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