人間嫌いで動物にしか心を開かない少年の元に、猫耳尻尾付き宇宙存在がやってきた!!!
ついでに兎耳と犬耳の宇宙人もやってきて、少年は彼女たちを嫌悪すべき「人間」と見なすべきか、それとも愛すべき「動物」と見なすべきか、猛烈に混乱し悩みます。
ついには、「人間」のことも実は好きだったのではないかと思い直し始めて――
男子と女子と猫耳&兎耳&犬耳の多角関係を描く『ソラさまは満たされたい!』の完結編3巻目が好評発売中です!
舞台は過疎地の春日野村。
村で唯一の小中高一貫学校に通う、たった二人の学生、星野スタアと夜空キラリ。
キラリは村でただ二人の学生なので、スタアと仲良くしたいと考えているのですが、スタアは極端すぎる人間嫌いで、全くもって心を開いてくれません。
ある日、突然落下した隕石とともにやってきた宇宙猫耳娘「ヌル族のソラ」。
スタアは猫の魅力を持つソラに惹きつけられて猫可愛がりしていましたが、キラリが対抗して付け耳尻尾着用で強烈アプローチを行った結果、頑なだったスタアの心を自分に向けることに成功します。
そんな色恋沙汰の日常が繰り広げられている中・・・
危険な存在ソラを監視している宇宙組織「銀河平和維持軍BT-1」は、「スタアの側でソラが無力化されている」という状況に驚嘆していました。
その原因を探るため、BT-1のパトロール隊員ペディが、地球の春日野村への潜入捜査を開始しますが・・・!
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3巻は主に新しい犬娘ヒロイン・ペディを中心とした話、そして彼女や宇宙兎娘ミミ、キラリ、スタアたちとのやりとりを通じて、ソラが今まで理解できなかった感情「他人を愛すること」について思いを巡らす物語が展開されます。
わりとペットプレイっぽい描写が多めなのですが、ペディがそういうペットっぽい振る舞いをかなり恥じらうタイプなので、そういう雰囲気が好みの人にはとてもオススメです。
(ケモミミ界隈は無知シチュというか、動物っ娘が恥じらいなく自然と動物っぽい振る舞いをするのを好む層もいるので、このあたりは好みが分かれそうなところ)
物語自体はきれいにまとまって完結していますが、作者あとがきを読んだところでは、もう少し話を続ける意図があったみたいなので、本作のようなオールケモミミえちえち全振りな作品が稀少な昨今、非常に惜しい所であります、、、
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3巻でキーポイントとなるのは「首輪」の扱いです。
犬猫系の動物っ娘が付けている場合、人間のパートナーらしい飼い犬・飼い猫感が出て愛らしいという一面や、チョーカー的なアクセサリーとして機能する部分もあるのですが、一方でサディスティックな拘束具として扱われる一面もあるため、作品ごとにその取り扱いに特色が出る部分であります。
本作が面白いのは、首輪の意味付けに両方の解釈が出てきて、その対立が描かれる点。
首輪を「組織への服従の証」とみなすBT-1に対して、「ずっと一緒にいたいという絆の証」とみなすスタアの対立項になっています。
また、動物っ娘が付ける首輪の意味付けに関して、本作では首輪を付けることが信頼の証になるのに対して、首輪を外すことが信頼の証になるという『アルカフス』といった作品もあり、比較して読んでみると面白いです。
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