世界征服を狙う「秘密結社アガスティア」で、日々、強力な怪人を生み出すべく努力している黒井津さん。
そして、その黒井津さんに気に入られようと日夜、彼女の手伝いに精を出すTS狼少年(≒少女)怪人のウルフ君。彼は最近、黒井津さんの過去をよく知らず、表面的な関係しか結べていないことに悩んでいました。
そんな折、謎のブラックホール怪人「イヴィルクローバー」が時空を超えて黒井津さんの精神に干渉し、ウルフ君はその除去を行う過程で、黒井津さんの過去を知ることになりますが――
ヒーローvs怪人物らしくかなりシリアスになってきた秘密結社コメディ『怪人開発部の黒井津さん』、新刊8巻目が発売中です!
黒井津さんはなぜアガスティアに入社したのか?
そもそも彼女は何者だったのか?
そして、どうして別組織の怪人に彼女が狙われることになったのか?
――秘密結社のさらに裏で暗躍する、真の黒幕の影。
様々な謎が絡み合い、混迷の度が増していく9巻です!!
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黒井津さん、若い学生の頃は平凡すぎるがゆえのコンプレックス持ちで、その後ヒーローとして活躍して、さらに今は悪の秘密結社に転身して技術者・・・って、属性盛りすぎな感じですね!
でも、これだけ属性盛っても、キャラクターとして破綻が無い上にちゃんと魅力として機能しているのが素晴らしい。
流石、本作の主人公という感じ。
あと、アガスティアの転職面接の場面で、しっかり面接官の絶対零度参謀メギストスが「開発がどうあるべきか」の理想を語っているところが良い。
本作、お仕事物として「仕事に誇りを持っている人」を茶化さずに描いているところはとても好印象です。
(さらに面白いのは、黒井津さんが仕事に夢を持てば持つほど、ウルフ君は「仕事上の理想の成果物」となり、恋愛対象として見られなくなっていくというジレンマがあるんですよね。巧い設定)
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今回のウルフ君。
ブラックホール怪人との戦いでリソースを使い果たし、一時的に動物狼形態になってしまいますが、ここで面白いのは、心の中で思い浮かべる自己像が女の子なんですよね。
『怪人開発部の黒井津さん』8巻P11(水崎弘明/フレックスコミックス株式会社)
ウルフ君は元々男子の心のまま、女怪人の肉体に組み込まれたという経緯だったはずですが、巻数を重ねて女子として過ごしすぎた結果、自己像が女の子になってしまっているのかなと想像したり。1巻の頃は心の中で思い浮かべる自己像は男だったのですが。
最近は「可愛い」って言われてわりとまんざらでもない場面をしばしば見ますし、内面的にも女子化が進んでいるのかもしれません。
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番外編のネタ。
ゲーム発表イベント会場なら、大勢の一般人の前でもウルフ君はケモミミ尻尾出したままで全然平気!というのは、本当に時代の流れを感じますね~
2010年以降のケモミミ作品では、ケモミミ尻尾を一般人に見られたとしても、「コスプレ」で押し通して、ほぼ問題にならないという流れが普通になっています。
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