ケモミミ生活 ~獣耳作品情報ブログ~

獣耳のいる生活をはじめてみませんか?
獣耳キャラクターに関連する最新情報と懐かしい情報を織り交ぜて紹介していきます。

※世界で唯一(?)の獣耳評論サークル・S猫出版部のブログです。
※『総解説・猫耳史』『総解説・狐耳史』『総解説・兎耳史』等を頒布しています。
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猫耳

恋人じゃないけど・・・猫娘シューの立ち位置が気になる。『S級鑑定士なのにパーティー追放されたので猫耳娘と農業スローライフしようと思います。』コミカライズ版1巻

ダンジョンで拾得されるアイテムや食材の鑑定を行い、冒険者パーティーの安全な行程をサポートする「鑑定士」。
主人公ソルトはS級の肩書を持つ敏腕鑑定士ですが、ハーレムを作るためという邪な理由によって、S級戦士のパーティーから追放されてしまいます。
もともと危険な冒険をすることが本意ではなかったソルトは、相棒の黒猫シューとともに気ままなスローライフを送るつもりでしたが・・・ある朝起きてみると、なんとシューが女の子になってしまって予想外の状況に!!

『S級鑑定士なのにパーティー追放されたので猫耳娘と農業スローライフしようと思います。』のコミカライズ版1巻目が10月12日より発売中です!
さて、シューはただの猫ではなく、知恵を持ち人語を解するS級魔物なのですが、今まで人型にならなかったのは、以前のパーティにいた女好きのS級戦士タケルから言い寄られたくないがためでした。

人型になっても猫の時と変わらずべったり寄り添ってくるシューに少し戸惑いながらも、当初のスローライフ計画通り、農業をするための土地と家を探し始めるソルト。

しかし、「ソルトが不当な理由でタケルのパーティから追放された」と冒険者ギルドに抗議する謎のC級戦士女性フィオーネの出現により、スローライフ計画はさらに予想外の方向へと捻じれていくのでした・・・!

※ ※ ※

スローライフしたいのに周囲が意外と放っておいてくれなくて、なかなか波乱の生活から抜け出せない有能S級鑑定士・ソルトの日々を描く作品です。

原作小説はカクヨムで読むことが可能で、第20話『ドラッグ・スムージー(2)』までが漫画化されています。
ソルトのスローライフ計画は少しずつ進んでいきますが、基本的には「ダンジョンのある世界でダンジョン外の冒険を描く」ことに焦点が当てられています。

本作、ソルトと猫耳娘シューの距離感が独特で、お互いに大事な相棒だとは思いつつも、恋人関係とはちょっと違う感じなんですよね。
原作では後に二人が温泉に入ったり、シューの身体を洗ったりする場面があるんですが、シューの方はソルトの裸を見たり、裸を見られたりすることにあまり羞恥心が無い感じ。
シューとソルトはあくまで猫と人間の関係であって、恋人関係になったりはしない、という一線が引かれているのかもしれません。あるいは猫のシューからすると、男女の恋人関係というのは人間の価値観で、猫にとって気に入った人間と同居するのは当たり前ということなのか。

『転生魔術師の英雄譚』『チートな飼い猫のおかげで楽々レベルアップ。』『マイバイブルは『異世界召喚物語』』『魔法書を作る人』等、女性キャラが大勢登場してもハーレムにならない「ケモミミ娘が唯一の恋人」タイプの小説が多くありますが、本作はそのバリエーションの一つといえるかもしれません。

※ ※ ※

本作のコミカライズを手がけるのは『魔王様に召喚されたけど言葉が通じない。』で素敵なケモミミ娘ペチカを描かれていたうたしま先生!
魔王様に召喚されたけど言葉が通じない。(3) (メテオCOMICS)
うたしま
フレックスコミックス
2021-09-10


うたしま先生の描かれる猫耳娘シューは服装がとてもお洒落で、何をしてても超カワイイのですが、「うたしま先生のケモミミっぽい」って感じさせるのが、この不機嫌な表情
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『S級鑑定士なのにパーティー追放されたので猫耳娘と農業スローライフしようと思います。』1巻P18(うたしま/小狐ミナト/フレックスコミックス株式会社)


この、見るからに不機嫌そうなピーナッツ口に、軽蔑の眼差し・・・『魔王様に召喚されたけど~』のペチカもよくこのような表情をしていましたが、今作でもたっぷりこの表情を堪能できます!

先生ご自身もこの魅力を認識されているようで、単行本版ではわざわざ不機嫌なシューの表情だけ集めたオマケページも収録されているので、うたしま先生の描くケモミミっ娘が好きならぜひ本書を入手しましょう!



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ぬこといぬこと。『ぬこづけ!』20巻

『花とゆめ』本誌、および『マンガPark』にて好評連載中の「ネコ目ヒト科の生き物」=「ぬこ」の日常を描く漫画『ぬこづけ!』。
巻数的に節目となる単行本20巻目が好評発売中です!
今回はケイ・ささめ・コハクの三匹を中心に、いつもの面々の春夏秋冬の日常を描く内容です。
ケイが結膜炎になったり、宵人がモデルの仕事に自信を持てなくなったりと、それなりに事件はありますが、『ぬこづけ!』全体でみるとだいぶ穏やかな日常が描かれます。
なんだかんだで、本作の登場ぬこ&人物たちはわりと重い過去をひきずっていることが多いので、こういう何もない普通の日々こそ尊いと思う・・・。

※ ※ ※

本作、20巻まできて特にケイとささめに対して思うのが、他のネコミミ作品と比較するとぬこ(ネコ)がしっかりしているなあ、という点。
一般的に、ネコのイメージである「自由気ままで飼い主を振り回す」という傾向がネコミミキャラにも反映されやすいのですが、本作の場合いぬこのコハクがかなりフリーダムな上に、周囲の人間も結構ヘン個性的ということもあって、ケイとささめの二匹が相対的にかなりしっかりしているように見えます。

ネコミミ・イヌミミ両方出てくる作品の場合、ネコミミ側が優秀またはしっかりしている、という風に描かれる傾向があり(『ぴゅあぴゅあ』『わんことくらそう』とか。『わんこナンバーわん』もそうかも)、本作では物語途中からイヌミミが登場したことで、ケイとささめの堅実さが強化された印象です。成長したともいえるかな?

※ ※ ※

今回注目した描写。ささめがこのごろ常に付けているイヤーカフス。
このアクセサリーは407匹目(407話・単行本17巻収録・2021年)にて、遥紀からホワイトデーのお返しにささめがもらったものですが、近年「ケモミミキャラの耳に付けるアクセサリー」にこだわりを持つ作品が増えていると感じます。
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『ぬこづけ!』20巻P140(柚木色/白泉社)


最近紹介した作品では『仁科くんの編集冒険記』のシグネがそうですし、『冒険は呪われたあとで』のヨウの耳元の鈴も同様のアクセサリーといえます。



本作のささめの場合、「2013年の連載開始時点では無かったのに、2020年代になってから耳アクセサリーが加わる」という点で、ケモミミ描写の変遷を示す興味深い例になっています。



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待望の双子猫回!1話から読んでいる人はかつてない漫画体験ができる!『エレナの炬火』第9話

猫耳メイドに定評のある、れおはりう氏改め小板玲音氏の連載作品『エレナの炬火』の9話目が本日10月20日発売の『青騎士』第16B号に掲載されています!



大戦争があった直後らしい、ヴィクトリア朝~第二次大戦期風の世界。
猫耳と尻尾を持った「東の方」出身の女の子・エレナは、一つの「館」をまるごと施設にした、救貧院的な介護組織「紫蘭館」で働いています。

今回はエレナの話から離れて、いつもエレナをお手伝いしている双子、ソケリとスオラのお話。
周囲からは区別がつかなくて、よく互いに間違えられている二人ですが、実は大きな違いがあって、それは本人たちにとってはとても重大なことなのでした――

※ ※ ※

個人的には待望だった、双子の猫姉妹を掘り下げた回になっています。
この話本当に凄いのが、今まで私、ソケリとスオラの区別がついていなかったのですが、今回の話を読んだ後は、過去の第1~5話を読み返したときに二人の区別がちゃんとつくようになったということ!!

過去の話も読んでみると、確かに違う!!ってなる。

この二人、外見がほぼほぼ一緒なんですが、表情と言動で区別がつくようになりました。
それでも、言動の差はかなり微妙なので、今回の話で二人の内面をそれぞれ知らないと、性格もほとんど同じように見えてしまうんですよね。

特に、同じように双子に焦点を当てている以前の第5話は、「二人がすごく似ている」ことをわざと強調した内容になっていたので、第9話の後であらためて読んでみると結構印象が変わります。
(実は5話はソケリ側の視点で描かれているのかな?)

凄い伏線というか、個人的にかつてない漫画体験ができた作品なので、読んでない方はぜひ単行本を買って1話から通しで読んでいただければ!

※ ※ ※

双子をテーマにした物語はそれこそ昔から多数あって、漫画に限っても『ミラクル☆ガールズ』のような往年の名作から、近年の『ミギとダリ』まで色々ありますが・・・

ケモミミジャンルで有名な双子としては『棺担ぎのクロ。』のニジュクとサンジュが挙げられます。
正確には双子というよりもクローンなのかもしれませんが。エピローグまでがっつり絡む重要キャラクターです。
この二人は登場当初はわりと性格が似ているのですが、物語が進む(成長する)につれて区別がつくくらいに分かれていく、という描写がされました。

『エレナの炬火』のスオラとソケリも、「同じように見えるけど違う」という双子の永遠のテーマを別の切り口と料理法で描いた作品なので、「ケモミミと双子」が好きな方はぜひ読み比べて頂ければと思います。

ギャグ寄りでは『大上さんとケルベロスゥ!』もおススメ!

ファンタジー世界の宮廷劇だからこその獣人!『隣国に輿入れした王女付きモフモフ侍女ですが、本当の王女は私なんです』コミカライズ版1巻

獣人との混血ということで、正統な王女でありながら周囲から冷たい扱いを受けてきたエルヴィールこと「ルヴィ」。
隣国との王子との婚約が決まり、この境遇からようやく抜け出せるかと思った矢先、腹違いの姉妹「ルビー」の罠にはめられて、隣国に「侍女」として送り込まれてしまいます。
自分が王女であるということを一切証明できないように手段を封じられた彼女は、果たして真の王女位に戻ることができるのか?

波乱万丈の獣人王女の運命を描く『隣国に輿入れした王女付きモフモフ侍女ですが、本当の王女は私なんです』、コミカライズ版の単行本1巻が9月29日より発売中です!
国王に見初められた半奴隷身分の獣人の母から生まれた、火山国ファストゥの王女エルヴィール。
18歳になった彼女は「呪われた王」として知られる隣の強国・ツークフォーゲルのアルノルト二世王に嫁ぐことになりました。
その眼を見るだけで死ぬ、といわれるほど評判が悪いアルノルト二世には、獣人の王女がお似合い・・・とファストゥ内では誰も羨まなかった婚姻ですが、それでもエルヴィールの腹違いの姉妹・妾の娘であるルビーだけは、自分こそがアルノルト二世にふさわしいと、エルヴィールに婚約相手を代わるようにと強要してきます。

ルビーの強要を消極的にかわしていたエルヴィールですが、ツークフォーゲルへの輿入れの日、馬車になぜか「侍女」としてルビーが乗り込んできます。
そして示し合わせたかのような盗賊団の襲撃・・・!

かろうじて命は助かったエルヴィールですが、不可思議な力で襲われたために声が一切出せなくなっていました。
そして、なぜかツークフォーゲルにはルビーが「王女」として到着しており、エルヴィールはルビーから「侍女」であると周囲に紹介されてしまいます。

真実を告げたいエルヴィールですが、恐ろしい呪いにより会話どころか筆談すらできない状態にさせられていて、通常の方法ではまともな意思疎通ができません。

陰謀が渦巻く中で故国に戻ることもできず、孤立無援になってしまった彼女の運命は――

 ※ ※ ※

昨年出版された本格宮廷ラブロマンスノベルのコミカライズ版です。
この漫画1巻は原作小説版の第二章の途中までの話が収録されています。

ルヴィはこういう陰謀劇でよくみられるような、勝気でたくましいヒロインでは全くなく、やや陰気で引っ込み思案で流されるままになっているタイプですが、打ちのめされても地道に立ち上がってくる点や、他人に強い共感を示す点にヒロインとしての魅力が詰まっています。
彼女が様々な不幸と陰謀を潜り抜けて、自分の幸せを見つけるまでの物語。
『小公女セーラ』的な物語が好きな方にはかなりオススメ。


 ※ ※ ※

こういった宮廷ロマンスで、実際の歴史上の宮廷ではなくファンタジーな舞台を使う必然性は何なのか?という創作上の指摘がありますが、本作には強固な必然性があります。

主人公のルヴィの身分・正体を「簡単に明かせないようにする」手段として「呪い」というファンタジー要素が使われているんですよね。
現実世界だと、喋れなくても筆談なり他の方法で伝えることができますし、頑張って理由をつくったとしても「正体を明かすと暗殺される」くらいしか設定できず、「正体を明かせない」理由としては弱くなってしまうので。

本作は「輿入れした王女が別人と入れ替わっていて、王女本人は侍女として宮廷で暗躍している」という、現実世界にはあり得ないシチュエーションを作るために、「呪い」というファンタジー要素が効果的に使われています。

 ※ ※ ※

あと、「蔑まれている王女」という立場をつくるために、ケモミミ獣人が利用できるところもファンタジー世界の利点ですね。
現実の歴史でも昔の中国や中東など、下層階級・奴隷身分だった者たちが宮廷に入り込んで力を持つ、というのはあるあるなんですが、そこに実在の特定の民族を挙げてしまうとカドが立ちやすいというか・・・。

ケモミミだから可愛い!正義!というのもあるのですが、外見的にも分かりやすく、現実には存在しない「異民族」をケモミミを使って演出できる点が、ファンタジー世界を舞台にした宮廷小説を描くメリットといえそうです。


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ケモミミっ子が頑張る話に定評のある、わたあめ先生の新作!『こむぎが自慢のパン屋さん』1巻

大好きだった飼主の女の子に恩返しをするため、人間に転生した猫。
しかし、完全な人間の姿になれず猫耳と尻尾が残ったままになってしまった上に、現世では年月が経っていて飼主の女の子は悩める一人の女性になっていました!

様々な問題を抱えた状況ですが、とりあえず転生猫は当初の目的「恩返し」のために、やや強引に元・飼主の女性のパン屋の手伝いを始めますが・・・。

わたあめ氏が長年構想していた作品がついに単行本化!
『こむぎが自慢のパン屋さん』の初単行本が9月12日より発売中です!
「こむぎ」は伴野穂奈美の元・飼い猫。
穂奈美は父から受け継いだ手作りパン屋「パンノ」を経営していますが、父の代のお客さんがみんな離れてしまい、「パンノ」はすっかり閑古鳥が鳴くような状況になっています。

人間に転生したこむぎは、元・飼主の穂奈美に恩返しをするために、住み込みで店を盛り上げようと働き始めますがそう簡単にはいきません。

でも、こむぎのがむしゃらな働きを通じて、穂奈美は自分のパン作りの何が悪いのか、少しずつ見つめ直していくことになります――

 ※ ※ ※

『ちいさな森のオオカミちゃん』など、健気なケモミミっ子を描くことに定評のある、わたあめ先生の新作です。
今作もケモミミっ子が頑張る系のお話ですが、『オオカミちゃん』と比較すると、よりストーリーの方向付けが強くなっています。
『オオカミちゃん』は変わらない日常を描いていくタイプの話でしたが、本作はパン屋「パンノ」が現時点で問題を抱えており、それを改善するためにこむぎが色々と動き、それによって新たな問題が生まれて・・・といった物語世界全体が変化していくタイプのストーリーになっています。

穂奈美が色々と未熟である点や、性格はともかくパン作りに関しては明らかに穂奈美より上のライバル店の店長・守人の存在が、物語に強いアクセントを与えています。

 ※ ※ ※

とりあえず、こむぎは本当にネコネコカワイイ!ので、彼女の姿を眺めているだけでも猫耳好きの人には大満足だと思います。
タイトルが二重の意味になっている(パンの材料の小麦だけでなく、看板猫の「こむぎ」も自慢である)点も素晴らしいと思いますね。

 ※ ※ ※

こむぎが猫耳尻尾を隠さなくてもほとんど問題にならない、というのが、本当に猫耳作品の時代の変遷を感じさせられます。猫耳尻尾がちょっとした趣味のアクセサリーとして、あまり違和感なく日常に融け込んじゃっているんですよね。

何度か言及してますが、80年代・90年代くらいの作品だと、猫耳尻尾がばれてさあ大変!みたいな話が必ず1話くらい使って語られてましたので。



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