ハカバ青年は「魔界」の言語とコミュニケーションを研究するフィールドワーク学者。
魔界の秘境「ウタツ」にたどり着き、じっくりと異種族の観察を始めた彼は、なぜか徐々に異種族から避けられるようになってきて、これまでとは違う「コミュニケーション」の危機を感じることになりますが・・・!

ファンタジー世界の異種族間コミュニケーションについて、学術的な面から本格的に描いた漫画『ヘテロゲニア リンギスティコ~異種族言語学入門~』の4巻目が好評発売中です!

魔界の冬季の避寒地域、火山地帯の真っただ中にある「ウタツ」に到着した若き言語学者の卵・ハカバ青年。
どうにか冬の住居・・・というより「巣」に近い住処を確保することに成功したハカバですが、今度は「コミュニケーション」の面で、ウタツの住民たちから避けられる・・・というか、イマイチ交流できなくて「ぼっち」状態になり始めます。

当初、この地域の住民とはあまり話が通じていなかったワーウルフの子供・ススキは、いつの間にか現地の子供たちと一緒に遊ぶようになっており、必ずしも言葉が通じないことが問題ではない模様。

悩むハカバは、フィールドワーク学者としての自分の態度に問題がなかったか、内省を始めますが・・・。

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物語が「次の段階」に入り始めたと感じる4巻です。
今回は魔界の問題というよりも、そもそも人間同士にすらある根本的なコミュニケーションの問題に焦点が当てられていて、面白いなあと思ったり。

世界観は全然違うのですが、『乙嫁語り』のヘンリー・スミスが遭遇していた問題と似ている部分があります。相手の文化を理解しようと熱心すぎる、真面目な人にありがちなコミュニケーションの罠というか・・・。
乙嫁語り 11巻 (HARTA COMIX)
森 薫
KADOKAWA
2018-12-15


あと、魔界の住人の文化・価値観の核心に近づくような話がだいぶ増えてきました。
この作品の「魔界」は「地球側の人間が一度大量に侵入して出ていった後の世界」という、特徴的な一面を有しているため、それゆえの闇の部分が少しずつ垣間見えてきています。

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今回注目した描写。
ススキが落ち込んだハカバを元気づけようと舐めてくれる。
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『ヘテロゲニア リンギスティコ~異種族言語学入門~』4巻P153(瀬野反人/株式会社KADOKAWA)


ケモミミの子が相手を舐めるのは犬猫感があり動物っぽくてとてもとても可愛いのですが、ススキからするとかなり真剣にハカバを慰めようとしているんですよね。

ケモミミ作品ではケモミミっ子の甘えだったり、ちょっとエッチっぽい雰囲気を作るために「舐める」場面が出てくることがありますが、本作はコミュニケーションをテーマにしている作品なので、わりとシリアスというか、しんみりした雰囲気を感じる場面になっています。



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