疲れた男のもとにやってくる、モフモフとツヤツヤの暴力!
ホワイト企業に転職した男は、疲れなくなったかと思いきや・・・?

新展開の狐耳漫画『世話やきキツネの仙狐さん』の単行本9巻目が6月10日より発売中です!

仕事を辞めた後、一度故郷に帰り、そこ仙狐さんの過去を聞いた中野。
仙狐さんに相応しい男になろうと、あらためて就職活動を始めた中野は、無事新たな職を得ることに成功します。

前の会社よりはだいぶホワイトな環境になりましたが、それでも新たな環境に慣れるにはまだまだ時間がかかりそうで・・・?

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前半部は主に中野の新しい職場や新居に関わる話がメインになります。
表紙がシロであるように、なんだかんだでシロの登場率も多め。

あとがきで描かれているのですが、「シロちゃんはここぞというときに外して欲しい」という作者リムコロ氏のこだわり、作品を読んでいると強く感じられます。

確かにシロは、作者や物語の都合に合わせてすら動かない「縛られなさ」こそが、本質と感じますしね。盛り上がってほしい場面に「いない」ことが、シロのシロらしさというか。

仙狐さんの物語ではそういう立ち位置になりそうなので、いっそのことシロ主役の『ニートキツネのシロちゃん』みたいなスピンオフをやってほしい、、、

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今回注目した描写。
中野の新しい職場の先輩である四ツ谷さん。

仙狐さんの狐耳をバッチリ「見て」しまった彼女ですが、初見で仙狐さんの耳が「狐」であることも見抜いています。
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『世話やきキツネの仙狐さん』9巻P104(リムコロ/角川書店)


「イヌ科のケモミミを初めて見た時に何の動物と思うか」は、作品やキャラクターの違いが分かる重要ポイントです。

例えば、『このはな綺譚』では登場する狐っ娘たちを「猫娘」と思っていた人物が登場したり、『けものみち』のように、一発で何の獣か見抜くという芸当を見せて、「動物マニア」という源蔵のキャラクターを強調していたりします。

四ツ谷さん、仙狐さんの耳が狐だとは一発で見抜きましたが、一方で化け狸の福田さんの耳は何の動物なのかわからなかったようで、そのあたりの違いが気になる所ですね。
(もしかすると霊感の強い四ツ谷さんは、仙狐さんの強い霊力から直接「狐」と認識したのかもしれません)