傑作獣耳小説『狼と香辛料』の新シリーズ!
賢狼ホロの娘・ミューリと、成長した聖職者見習いコルが新たな旅を始める、『新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙』のコミカライズ版2巻が10月24日より発売中です!

単行本2巻は、原作1巻の中盤~クライマックス直前までの内容が収録されています。
原作1巻を漫画3巻分で描くペースで、かなり丁寧に描かれている印象です。

河口の交易都市アティフにおいて、ウィンフィール王国の王子ハイランドに協力することを同意した青年コル。

聖典を口語訳するという事業をもって、「十分の一税」といった現世的利益追求に染まってしまった教会との対立姿勢を明確にします。

本来は神の正しい教えを広め、教会の姿勢を正すことを目指していたコルですが、どうも世間では暴利をむさぼる教会を叩いてくれる庶民の味方、といった短絡的な認識をされている様子。

正しい教えを広めたいという目的からすでに乖離していることを、世間の動静に通じた狼娘ミューリにたしなめられてしまうコルですが・・・。

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今回も“絵になっているからこそ”の見所が多数あります。

ミューリが宮廷の行政官見習いに男装した姿は、ケモミミのあるなしにかかわらず超カッコいいですし。(とても中性的というか、美少年っぽさが凄い)

「格好は大事」というミューリの決めセリフが実感できます。

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今回着目したのは下のコマ。
ミューリが尻尾を立てて、膨らませて怒っている。
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『新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙』コミカライズ版2巻P60(日鳥・支倉凍砂・文倉十/KADOKAWA)


ネコキャラは尻尾を立てて膨らませるのが「怒っている」仕草だと一般化されていますが、犬科の場合、尻尾を丸めるように立てるのは狼および狼の血の濃い犬が怒ったときにする仕草らしいです。

ミューリも狼なので、尻尾を丸めるように立てているのは自然なわけですね。