神様や死者が訪れる不思議な温泉宿『此花亭』。
そこで働く狐っ娘の仲居たちの日々を描く、モフモフ成分120%の百合漫画『このはな綺譚』の単行本10巻目が好評発売中です!

今回の表紙はひさびさの皐&柚のカップル!
ついに此花亭を飛び出した皐と柚。
これまでもときどき、此花亭の外での出来事が描かれてはいましたが、外の話が中心となるのは10巻が初めてとなりますね。

新展開に合わせて、これまでの《此花亭》シリーズでは見たことの無いタイプの話が2話、収録されています。
『家路』と『忍恋』です。

『家路』は実際の噴火災害をモデルとした出来事がエピソードの軸に据えられていて、これまで人間世界の話は「さりげなく」触れられる程度の事が多かったのですが、今回はかなり切り込んだところまで描かれています。
(モデルとなっている火山は、浅間山なのかな? 200年前にも大噴火しているという話から)

『忍恋』は小倉百人一首で有名なある人物たちが実際に此花亭にやって来るお話。
和歌が多数引用されている一方で、和歌では伝えられない想いがある、という流れになるのが面白い。

この二つのエピソード、ともに技巧の粋を凝らした内容になっています。
今後もどういう話が《此花亭》シリーズとして描かれるのか、楽しみですね!

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今回気になった描写。
柚と皐を初めて見た、人間の女の子・穂乃香ちゃんは、柚たちの耳を「犬みたい」と表現しています。

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『このはな綺譚』10巻41(天乃咲哉/幻冬舎コミックス)


2巻では柚を「猫娘」と思っていた人物が登場したりしていますが、一般人は狐耳っ娘を「狐」だと瞬時に判断するのは、なかなか難しいと思うのです。

『けものみち』の源蔵みたいな動物マニアじゃないかぎり、普通は「犬っぽい」「猫っぽい」くらいの識別しかできないはずです。

「ケモミミ種族を初めて見た時に何の動物と思うか」は、よく注意して描かないといけないシーンだと思いますね。