今からそう遠くない未来。
サイボーグ技術、知性を持つアンドロイド、現実と見紛うバーチャルリアリティといった夢の技術が実用化されつつある一方、戦争・災害・飢餓・貧困が世界中に蔓延し、人類文明を存亡の危機に追い込んでいます。

世界の危機から隔離されていたはずの人工リゾート島《セナンクル・アイランド》にも、ついに恐るべき災厄の火の手が上がりますが・・・!

夢は「世界平和」な、脳ミソ以外全部機械の脳天気娘・七転福音(ナナコロビ・ネネ)と、無愛想なネコミミアンドロイド(?)・クラリオン、そしてクラリオンの「妹」を自称するフォボスの三人娘も、世界の大きな流れに呑み込まれていきます。

電脳でネコミミでキャットファイトなSF漫画『紅殻のパンドラ』、最新17巻が2月10日より発売中です!

秘密結社ポセイドンが「セナンクル島放棄」を決定し、彼らの暗躍によって島内が混乱に陥る中・・・。

暴走して争い続けていたフォボスとクラリオンは、物理空間での戦闘に限界を迎えたのち、次の戦場を電脳空間へと移してさらなる戦いを続けていました。

自身の義体が半壊状態になりながらも、二人の争いを止めさせるために電脳空間に突入するネネ。
これまでも時々ネネにちょっかいを出していた正体不明の人工知能プログラムP-2501こと「ニコちゃん」のサポートを受けながら、電脳空間の奥深くへと踏み込んでいきます。

その世界の深淵で、ネネが見ることになるモノとは・・・!

ギャグにバトルにSFにネコミミまで!みっちり詰まった最新刊です!

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今回はフォボスとクラリオン、そしてニコちゃんの電脳空間におけるバトルが中心で、シリーズおなじみの攻性防壁のほか、フリーズやループの誘発やクラックツールでの解析など、電脳空間におけるバトルの様式が一通りでてきて、SF漫画らしい魅力が満載なのですが・・・。

バトル前の描写、ネネとニコちゃんが見せてくれる偽装空間や電脳空間、電脳遭難に関する諸々の描写もとても魅力的なのですよ~

ネネが防壁迷路をくぐり抜ける時の「マップ」がWizardry#1のB1Fの地図だったり、やたら懐かしいゲームネタを色々と混ぜているところは流石だと思ったり。

私が気づいていないだけで、他にもさりげない描写に色々なネタが隠れているのだろうと思います。
そういうネタ探しも楽しめるという点で、様々な楽しみ方ができる一冊ですね!

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17巻は続きが超気になるところで「次の巻に続く」になっています。
配信版を読めば続きが分かるのでしょうが、私のような単行本派の人間は逆にネタバレを見ないように気をつけないといけません・・・!

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16巻の感想を書いた時に、「2巻ごとに表紙のネネとクラリオンの構図が対称になるようにデザインされている」とコメントしたのですが、今回の17巻、その法則性が崩れてるんですよね(ネネの後ろにクラリオンがすでに半分見えている)。

これ、次の18巻は「クラリオンの後ろ姿半分とフォボス」の表紙になるのかなと予想したり・・・。