のどかな海辺の町に住んでいた漁師の息子・レルーは、時化の海で事故に遭い、町外れに住む奇妙な子供「博士」こと、アインシュタインに助けられます。

半身以上を失う大怪我を負っていたレルーは、どんな生であってもいいから死にたくない!という強い想いと、「博士」の不思議な処置によって、つぎはぎだらけの化け物のような姿で生き返ったのでした!

異形の姿になったレルーは、同じく獣の耳の生えた異形のアインシュタインとともに異端者として故郷を追われ、安息の地を探して旅立ちますが――はたしてその結末は?

独特の世界観を生み出す宮永龍氏の手による本格ファンタジー『アインシュタインの怪物』、完結編3巻目が5月27日より発売中です!

3巻は子供のように遊ぶ博士とレルー(今はフランと名乗る)の話から始まり、ひと時の安らいだ雰囲気に包まれますが、氷の海で行き倒れていた女の子—―彼女にも獣の耳がある――を見つけたことで、少しずつ物語が動き始めます。

博士はその少女との出会いにより、長い間失われていた記憶・・・忘れるべきではなかったの大好きな人のことを思い出します。

博士の大切な過去と、それゆえに逃れることのできない運命の結末が描かれる3巻です!

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前巻から引き続き、絵本のような独特の絵柄で、コマの隅から隅まで濃密に書き込まれた不思議な世界観に虜になるファンタジー漫画です。

3巻は重い話が続くのですが、第13話・第14話のような、この世界の日常を描いた話をもっと読みたかったですね~

この「博士とレルーの二人の日常をもっと見たかった」という感覚が、本作の結末に漂う一抹の寂しさに繋がっているとしたら、凄い仕掛けだなあと感じたり。

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博士をはじめとする本作の魔女たちは「ケモノっぽいけどケモノじゃなくてケモミミ(あくまで人の姿に獣の耳が生えている)」という、独特のスタイルで描かれています。

ストーリーもさることながら、新たなケモミミ表現を求めている人にも、ぜひ一読をおススメします!



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