和製TRPG代表作『ソード・ワールド2.0』の10年ぶりの改訂版『2.5』の新しいルールをわかり易く解説したリプレイです!

おなじみの個性豊かな四人の冒険者(もうビギナーとは呼ばせません!)と、新たに加わったもう一人の仲間が「奈落の魔域(シャロウアビス)」の謎に挑みます!

リプレイ集『水の都の夢みる勇者』、続編『3』の電子版が4月20日より発売中です!(ちなみに今回も、書籍版は一か月前から発売中です)
舞台は剣と魔法の世界ラクシア。
風と雨の女神フルシルに守護された多国籍都市《水の都》ハーヴェスでは、四人の冒険者からなるパーティ「チームくずり」が活動していました。

“ソード・ワールド”なのに剣の才能が無く、メイスばかり使うファイター、カイルバーン。

実家が破産して冒険者になった、フルシルに仕える神官のニコラウス。

失くした記憶を探すルーンフォーク(魔導生命体)のセージ&コンジャラー、フィディック。

そして、前世はお姫様(自称)という、グラップラー(格闘家)のラーテル獣人(リカント)・天然娘ラティ。

前巻2巻の最後で、ニコラウスは飛び出した実家との関係を修復し、本来進むはずだった商人の道へ戻ることを決心したため、「チームくずり」から離れることになりました。

そこで、ニコと入れ替わりに新しい仲間が加入します。
「一射必中」の二つ名を持つレプラカーン族の弓の狙撃手・モーレス。
その二つ名は弓の腕に対してというよりは、彼のよからぬ素行(盗賊稼業)に由来するようですが、それでも一流の狙撃能力を有する頼りがいのある仲間です。

魔神によるラクシア侵略の橋頭保「奈落の魔域(シャロウアビス)」に関わる冒険をしていた「チームくずり」は、世界の陰で暗躍する「奈落教」との対決姿勢を明確にしていきます。

そして、ついには戦いの舞台を空にまで広げていきますが――!

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1巻から始まったキャンペーンの結末が描かれる3巻です。
第一部完ということですが、これからも「チームくずり」の活躍は続くということで楽しみですね。

もともと「TRPGの初心者に向けて」が本書のコンセプトでしたが、単発セッションだけでなくキャンペーン式ストーリ―をプレイするにも向いている『ソード・ワールド2.5』の魅力を、今回の1~3巻で余すところなく伝えられていると感じます。

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とにかく今回も、パワー&天然全開のラーテルのケモミミ娘・ラティが大活躍です!

カイルバーンはディフェンダー、ラティはアタッカーということで上手く役割分担もできるようになっており、だいぶベテラン冒険者感が出るようになりました。

今回、カイルバーンは薬で巨大化して大暴れ(?)するエピソードがあるのですが、巨大化したカイルバーンよりも、ラティの方が普通に攻撃力が高い、という状況になるのが破天荒すぎて笑えます。
歴代『ソード・ワールド』のリプレイキャラクターの中でも、最強クラスの攻撃特化キャラになってます。

さすが最強小型哺乳類ラーテルですね!!

ちなみに、ラティについて「ラーテルなのでハチミツが好き」という描写が出てくるのですが、擬人化したラーテルに「ハチミツ好き」の特徴が付与されているのは、元祖ラーテル娘漫画『キリングバイツ』以外では初めての例だと思うので、要チェックです。