男子高校生・神上愛(かみじょうめぐみ)が、子供の頃にちょっと変な方法で助けた子ギツネが、狐耳尻尾の女の子の姿になって恩返しにきました!

でも実はその狐っ娘、愛のお姉さんである神上立(かみじょうりつ)が、他の女を近づけることなく自分が弟を独占しやすいように、「弟の恋人候補としてコントロールしやすい女子」として見つけてきた娘で、それゆえに複雑な恋愛模様が繰り広げられるのですが・・・。

第7回講談社ラノベ文庫新人賞・優秀賞受賞作のド直球狐っ娘ラブコメ『おいなりさんは恋をする。』。
2巻目が3月2日より発売中です!
今回の舞台は海!

姉・立(りつ)の謎の配慮で、海辺の旅館に行くことになった愛といなり。

それまで海を見たことの無い いなり にとっては全てが初めての体験でテンションが高く、愛もいなりに泳ぎを教えるといった普段とは違った体験をすることに、大きな満足を感じています。

前巻で いなり に強い感情をぶつけられたこともあり、愛は永遠に一緒にいることはできない いなり との関係を真剣に考えることが多くなっていて、今回の旅行もしっかりと「二人の思い出」にしていこうと努めて振る舞っているのでした。

そんな中、ある出来事を経て、旅館の手伝いをしている同年代の少女・姫宮七海(ひめみやななみ)と、愛といなりは親しくなっていきます。

七海が抱えている悩みを知った愛は、なんとか彼女の力になれないかと考えますが・・・。

※ ※ ※

1巻はラブコメの「コメディ」部分が濃かったですが、2巻はかなり真剣な青春・恋愛を描く内容になっています。

とにかく、狐っ娘いなりが良い子すぎて眩しい・・・!
純粋で無垢、といった部分もありますが、彼女なりに真剣に考えて答えを出している部分もあるので、彼女が愛に向ける発言のひとつひとつに大きな重みがあります。

今巻から登場の七海は、いなりとは別のベクトルで純粋なせいで、深く傷ついてしまっているタイプで、七海といなりの対比が非常に巧みに描かれています。

近年のラノベでこういう直球の青春小説が描かれるのは、やっぱり珍しいと感じます。
狐っ娘だけでなく、ライトノベルの多様性に興味を持つ人にもぜひ読んで欲しい作品です!

※ ※ ※

『うどんの国の金色毛鞠』『狐のお嫁ちゃん』と同じく、本作も「人外の存在が現実に生活していく上で立ちはだかる大きな問題」が描かれています。
このあたりを描いていく所は、近年の妖怪小説のトレンドを汲んでいる感じですね。



萌え ブログランキングへ