宇宙から突然飛来した侵略者「アルデヒト」。
滅亡の危機に瀕した人類が造り上げた決戦兵器・・・半永久的に自己修復するナノマシンを血肉とした不死身の生体機械「クチュールマタ」。

迫る決戦に備えてコールドスリープに入ったクチュールマタ・「リュト」が目覚めた時、地球は三千年の時を経ていました。

三千年後の地球。
人類は姿を消し、代わりにアルデヒトが「地球人」になっていました。
侵略者だったアルデヒトたちは自らの出自を忘却しており、宇宙に進出する技術も失われてしまっている様子。それどころか、自分たちが人類と戦争をしていたことすら憶えていないようなのです。

前巻で、三千年の時を跳躍してきたクチュールマタの少年・リュトと、アルデヒトの考古学者の少女・ニナが、アルデヒトと人類の間にあった隠された歴史を解き明かしました。

そして今回、歴史の謎を解くさらなる手がかりとなる「勇者・サイトバル将軍」の遺物発掘に挑みますが・・・。

衝撃の1巻を超える、より大きな物語が動き出します!
ケモミミ考古学SF『救世主だった僕が三千年後の世界で土を掘る理由』の2巻目が11月30日より発売中です!

好奇心旺盛な考古学者のアルデヒト、人耳と猫耳の四つの耳を持つ娘・ニナに“発掘”されたリュト。

1巻にて、アルデヒトと人類の間に起こった様々な憎悪の歴史を知ったリュトですが・・・彼は今の地球で平和に生活しているアルデヒトたちの――特にニナの味方であり続けることを決心しました。

1巻の出来事もあり、アルデヒトと人間との歴史にさらに強い関心を持ったニナは、今回、千年前に謎の勢力と交戦して軍団ごと姿を消した「サイトバル将軍」の遺物発掘に挑みます。

将軍が交戦した「謎の勢力」とは人間の軍隊ではなかったのか・・・?

現地の古戦場跡に降り立ったリュトとニナ、そして世間ずれした二人のお姉さん役を務めるアイルがその地で出会ったのは、ニナをライバル視するアカデミーの同期生アカホヤと、古戦場を徘徊する謎のお嬢様キトラ。

発掘調査を巡る様々な陰謀が見え隠れする中で、驚くべき事態が進行することになりますが・・・!

※ ※ ※

作者あとがきでも述べられていますが、2巻は続刊が出ること前提で、とても大きな物語のはじまりを予感させる内容が書かれています。

1巻だけでも物語として十分完結する内容だったので、2巻でどうやって続きを書いていくのかと思っていたのですが、予想以上に大きな話が語られそうな舞台が用意されていて、作者・有丈ほえる氏の物語構成力の凄さを実感しました。

続刊の予定は売れ行き次第らしいですが、ぜひ続きが出てほしいところ・・・。
アルデヒトと人類の行く末を描き切ってほしい。

※ ※ ※

ヒロインのニナはいわゆる博士属性のキャラなのですが、よく言われるように博士キャラってメインヒロインになることが少ないんですよね。

登場人物の大部分はケモミミなアルデヒトなので、「ケモミミヒロインはサブ扱いになる」法則は回避していますが、それでも珍しいタイプのキャラです。

リュトと視点を共有している読者の立場からは、竹を割ったような性格の好奇心旺盛な女の子といった印象のニナですが、アイルの話によるとどうも昔はぎらぎらした野良猫のようなとっつきづらい性格だったらしく。

その話を踏まえた上でニナの口調をあらためて読み直してみると、確かに「断定的で偉そう」な口調であるようにも感じます。
第一印象でニナに好意を持っていなければ、余計に「イヤなヤツ」の印象が強くなりそうです。

小説でも第一印象って重要なのだなあと思った次第です。



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