宇宙から突然飛来した侵略者「アルデヒト」。
滅亡の危機に瀕した人類が造り上げた決戦兵器・・・半永久的に自己修復するナノマシンを血肉とした不死身の生体機械「クチュールマタ」。

迫る決戦に備えてコールドスリープに入ったクチュールマタ・「リュト」が目覚めた時、地球は三千年の時を経ていました。

その三千年後の地球。
人類はいなくなっており、代わりにアルデヒトが「地球人」になっていました。
侵略者だったアルデヒトたちは自らの出自を忘却しており、宇宙に進出する技術も失われてしまっている様子。
そして大陸の大半は緑のヘドロで覆われ、アルデヒトは生体都市「世界樹」に身を寄せ合って細々と生きている状況なのでした。

一体地球に何が起きたのか?
三千年の時を跳躍してきたクチュールマタの少年・リュトと、アルデヒトの考古学者の少女・ニナがその謎を解き明かします!

こんな凄いケモミミSFが読める時代に感謝したい!
『救世主だった僕が三千年後の世界で土を掘る理由』の1巻目が11月2日より発売中です!

好奇心旺盛な考古学者のアルデヒト、人耳と猫耳の四つの耳を持つ娘・ニナに“発掘”されたリュト。

人類側の生体兵器として人間と生活してきたリュトの目からみても、アルデヒトたちはごく普通の人間のような生活をしており、人間のように笑ったり怒ったり泣いたり感情表現豊かで、憎むべき侵略者のようにはどうしても感じられません。

そして、なぜかリュトの武装はコールドスリープ時に全て解除されており、代わりにアルデヒトと意思疎通を行うための機能(会話するための言語体系など)がインストールされていました。

ニナは人類のことを「滅び去った偉大な先人」と呼び、「アルデヒト以外に知的生命体が存在していた!」という観点から興味を持っているようで、そもそもアルデヒトが人類を滅亡させようとしていた過去を全く知らない様子。

リュトは自分の立ち位置を定められないまま、世界の謎を求めて、ニナとともに人類遺跡の発掘に従事することになりますが・・・。

※ ※ ※

当記事のタイトルに「『猫の地球儀』が好きだった人に・・・」と記載したのですが、ストーリーや仕掛けが似ているというよりも、根っこにある核の部分でおそらく好きになれるだろうな~という意味合いです。
猫の地球儀 焔の章 (電撃文庫)
秋山 瑞人
KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
2014-03-26


表面的な雰囲気はゆったりとした終末世界だけど、冷酷な事実からは一切目を逸らさない、凍えるような冷水を頭から読者に叩きつけるような内容が含まれているという点で、似ているんですよね。

この内容をやるうえで、侵略者アルデヒトの容姿が「可愛らしいケモミミ」であるのは物凄く効果的だなあと感じました。

作中でリュトが感じているであろう「憎い敵であるはずなのに、目の前にいるアルデヒトたちは憎み切れない」という戸惑いを、読者に追体験させるのに成功しています。

現実の歴史認識の問題にもやや踏み込んでいる感じがあり、ライトノベルでこういう内容がやれるとは・・・やっぱりこの世界は侮れないなあと思い知らされます。

※ ※ ※

ヒロインのニナが猫耳娘なのは、ストーリー上やはり効果的だと思うのですよ。

竹を割ったような性格で、普段のネコネコしい振る舞いもあり、世界がどうであろうとニナには味方してあげたい!というリュトの気持ちに共感しやすい。

本作にはケモミミキャラとしてもう一人、狐のお姉さんアルデヒトのアイルも登場して、彼女も読者によってはツボに入るみたい・・・とにかくケモミミ小説に着目している方は本作をぜひ読みましょう!



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