福猫町に引っ越してきた女子中学生・海子(あこ)のもとに、どう見ても女の子にしか見えない不思議な猫「フク」がやってきます。

フクやその仲間たち「ふくねこ」との交流を経て、突然の引っ越しや両親の不在による寂しさを抱えていた海子も、だいぶ「幸福」を感じられるようになってきました。

でも、海子が幸福になるということは、「ふくねこ」たちとの別れが近付いていることも意味しているのでした、、、

ほっこりする不思議な猫耳漫画『ふくねこ』。感動の完結編4巻が10月12日より発売中です!

「ふくねこ」とは、何かが欠けている人間に寄り添うため、人の姿に変化した猫たち。
それゆえに、寄り添う人間の欠けていたものが埋まって「満たされた」状態になったら、「ふくねこ」は人の姿を失い、普通の猫に戻ってしまいます。

もともとは友達のいない福猫町に引っ越すことが不満で、引っ越した後もずっとゴネていた海子ですが、フクをはじめとする「ふくねこ」たちとの交流によって、だいぶ福猫町にも馴染んできました。
そしてフクの熱心な働きかけによって、海子に欠けていた一番大きなものが満たされる日がついに訪れます。

しかし、それによってフクと別れることになると知った海子は、大泣きしてフクを引き留めようとしますが・・・!

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「ほっこり」と「しんみり」が交互に訪れる最終巻です。
登場人物が喜びor悲しみで強い感情を見せているときも、画面全体にはゆったりした長閑な雰囲気が漂っているのが、ホントに独特の作風をお持ちの作者だと感じます。

こいこいと踊る「ふくねこ」たちも可愛くて癒されるのですが、作品自体に漂うこの空気にも大きな癒しを感じますね。

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今回注目したコマ。
福猫町を守護する「ふくねこ」たちの元締め、大福神様の姿。
猫耳尻尾だけでなくヒゲもあります。
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『ふくねこ』4巻P79(松沢まり/双葉社)


2015年の『魔法医猫といばら姫』の記事にて、日本の猫耳キャラはあまりヒゲが描かれないと述べたのですが、『ばけばけ森の妖稚園』でもヒゲ付き猫耳娘が登場していたりして、近年は「ヒゲ付き猫耳娘」も少しずつ増えてきている感じがしますね。

森山大輔短編集 魔法医猫といばら姫 (電撃コミックスNEXT)
森山大輔
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-11-26