狡猾な妹王女の罠にはめられて、身代わりで魔王に誘拐されてしまったダメ王子。

どうにか魔王城から逃げ出すことに成功し、人間界へ戻ろうとしていた王子は、途中で「いい魔物」を自称する人外少女たちと出会うのですが・・・どうやら彼女たちはとても美味しそうに見える王子を「食べたい(文字通りの意味で)」と思ってるようなのです!

食うか食われるか!?のコメディ・ファンタジーノベル『マモノな少女に囲まれたけど、果たして俺は「おいしい」のだろうか。』が3月10日より発売中です!

人間界と魔界がコインの表裏のような形で存在している平面世界【リヤンオリゾン】。

「聖王」の子孫でありながら全く戦う力を持たない「無才」のルシエル王子は、狡猾でブラコンな妹王女・トルチェの罠に嵌められて、魔王に王女の身代わりとして誘拐されてしまいました。

魔王となぜか意気投合して、ひとまず見逃してもらうことに成功したルシエルは、自分を喰らおうと追ってくる魔界の魔物の群れを振り切り、深い森の中にある村にたどり着きます。

村に住んでいるのは人間のようだったのでひとまず安心するルシエルですが・・・実は、その村の住民は魔物が知性化した「異種(ゼノ)」と呼ばれる人外の存在だったのでした。

ルシエルを助けてくれた犬耳少女コルルが言うことには、異種は人間を食べたりしない、とのことなのですが・・・めちゃくちゃよだれを垂らしているコルルの様子を見ていると全く信用なりません!

「人間の“王族”は高級食材」と言い伝えられるこの村で、果たしてルシエルは食われずに生き延びることができるのか!?

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パンツ一丁で魔王城から逃げ出したり、王族であることを隠すために下品なオヤジになりきってみたりと、戦闘はからっきしだけど様々な手練手管で世を渡り歩くルシエル王子と、理性よりつい食欲が勝ってしまう魔物少女たちとの軽妙なやり取りが笑える作品です。

コメディ作品なのですが、世界観が結構凝っていてたり、終盤に大きなどんでん返しがあってなかなか熱いストーリーが展開されたりと、最初から最後までしっかり詰まっていてお腹いっぱいになれる一冊です。

作者の前作、電撃小説大賞・金賞受賞の『ヴァルハラの晩ご飯』とはまた違ったノリの作品になっています。


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ケモミミキャラクターとしては、ケルベロスから知性化した異種であるコルル・グアルディアが登場します。

彼女の犬耳からは丸っこい犬のぬいぐるみのようなアクセサリーがイヤリング状にぶら下がっているのですが・・・実はこれはアクセサリーではなく、もともとケルベロスだった時の三つ首が変化したもの、つまり彼女の体の一部だったりします。

それぞれちゃんと人格があり、右耳側は理性的で冷たい印象の「レグナ」、左耳側は男勝りで攻撃的な「エルバイド」といいます。主導権はのほほん犬っ娘であるコルルよりも、レグナが握っていることが多いですね。

近年、ケルベロス娘は様々な作品に登場していますが、元の魔物の伝承にある「三つの首を持つ」をどう表現するかが、創作者の腕の見せ所であります。

一つの体に三つの人格が宿っていたり(例:『今日のケルベロス』)、三つ子にしたり(例:『大上さんとケルベロスゥ!』)というパターンがありますが、本作『マモノな少女に囲まれ~』のような「別人格がアクセサリーに宿っている」というのは新しい表現ですね。