貸本屋「鈴奈庵」を舞台に幻想郷の不思議な日常を描く、《東方Project》公式コミック『東方鈴奈庵』もついに完結!
最後の7巻目が9月25日より発売中です!

最後の表紙は八雲紫。
意外な選定ですが、黒幕・・・というかラスボス感がある存在として、最終巻を飾るには相応しいのかもですね。

最終巻の収録作は・・・
〇マミゾウが阿求=覆面作家「アガサクリスQ」に接触する話。
〇妖怪と幻想郷の謎に近づきすぎた小鈴。ついに妖怪・マミゾウが正体を現す!話
〇小鈴が行方不明に!妖怪と霊夢たちが互いに疑心暗鬼に陥る話。
〇ふらりと戻ってきた小鈴。しかし・・・!

いつも通りに、それぞれ前編・後編構成の全八話構成となっています。

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最終巻では、前々から妖魔本や妖怪に興味を持ちすぎて危うかった小鈴が、とうとう妖の領域に足を踏み入れてしまいます。

妖怪に興味を持つ人間は妖怪になる。
そして、妖怪になった人間は巫女が退治する。
幻想郷の妖怪と人間の力は、常に均衡していなければならない。

幻想郷に関する様々な謎が明らかになる巻で、東方projectのファンの人は必読です。
最終話直前の第五十話・五十一話の小鈴もかなりカッコいい!

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本シリーズのメインケモミミ勢であるマミゾウさんは、今回もかなり話に絡んできます。
黒幕になろうとしているけれど、ややツメが甘くなってしまうのは、化け狸ゆえのサガなのでしょうか。


最近、『日本人の動物観―変身譚の歴史』という本を読んだのですが、この本で化け狸が化け狐に比べて「間抜け」に描かれる理由について色々考察されています。
日本人の動物観―変身譚の歴史
中村 禎里
ビイングネットプレス
2006-06


もともと17世紀までは化け狸も強大な妖怪として語られていたのに、近世後期・18世紀以降の講談の中で「間抜けな妖怪」イメージが付いてしまった点が一因として挙げられています。

今回、マミゾウが化け狸の勢力拡大のために、阿求に本を書かせて狸の新たな逸話を拡散しようとしますが、このネタは「化け狸の物語」成立の歴史をきちんとなぞっていて、流石だなあと思わされました。



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