どこかにある遠い遠い國。
その國では、住民の頭に獣耳が生えていて、そして同性同士の結婚が許されているのです!
世間知らずの箱入りお嬢様と、まじめで苦労人な薬屋の娘の新婚生活を描く、獣耳百合漫画『月が綺麗ですね』の2巻目が1月18日より発売中です!

春日財閥の一人娘である春日ちる(16歳)は、幼いころから決められていた婚約者、薬屋「仟年堂」五代目・東雲千里(18歳)と結婚することになりました。
どちらも女なのですが、この國では同性同士の結婚が認められているので、その点については問題ありません。

気がかりなのは、親の決めたやや政略結婚めいた話であることと、ちるが世間知らずすぎて結婚生活をまともに送れるのかという点。

ちるにとって千里は、幼いころに一度会って、一つの思い出をつくっただけの間柄でしたが、年月が経っても千里の優しさは昔と変わらず、ちるは尊敬できる結婚相手として千里とともに添い遂げていくことを決心します。

そして千里にとっても、素直に感情表現するちるの存在は欠かせない癒しになっているようで、結婚前に周囲から心配されていたような問題は起こらず、二人は素敵な新婚生活を送ることになるのでした。

そんなある日、幼いころに養子に出されて別れ別れになった、千里の妹が訪ねてくるという電報が舞い込んできます。
あまりにも長い間妹と会っていなかった千里は、どういう態度で妹と会えば良いのか、思い悩むことになりますが・・・!

※ ※ ※

1巻では完璧人間すぎる千里に対して、お嬢様育ちでいまいち千里の役に立つことができないちるが焦る、という構図が多かったのですが、2巻は逆に千里の欠点が目立つ話になっています。素直に感情表現できないこと、変に意識するとドギマギしてしまうこと、普段の生活習慣では意外と抜けているところが多い点、実は料理があまり得意でないことなど・・・・・・。

ある意味、千里とちるはかなりお似合い夫婦だということが感じられる2巻です。

※ ※ ※

本作の登場人物たちは獣耳と人耳の両方がある「四つ耳」キャラとして描写されています。
「四つ耳」であることの表現上の利点として以下のようなものがあるのですが・・・。

●髪型の自由度が上がる(四つ耳でない場合、人の耳のある部分を曖昧にするために髪で隠す必要がある)
●眼鏡をかけても不自然でない(1巻の『挿話』が代表例)

もう一点、下のコマのように「耳に口を寄せてささやく」という表現が違和感なくできる、という利点があります。
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『月が綺麗ですね』2巻P29(伊藤ハチ/一迅社)









 


獣耳が頭の上にあるケモミミさんだと、「耳に口を寄せてささやく」という仕草は、よく考えないとかなり不自然な姿勢になってしまいますので。

「ケモミミが電話するときの受話器」とか「ケモミミのヘッドフォン」とか、「ケモミミだとできない」系の動作の表現を、各作家がどうやって工夫しているかについて、いつかまとめてみたいですね。



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