「学校で一番の変な人」の許嫁になってしまった上に、実はその彼はキツネだったりしてもうなにがなんだか!
放課後もふもふラブコメディ『星姫と孤高のきつねくん』の初単行本が7月12日より発売中です!

東山星姫(ひがしやまほしひめ)はごく普通の高校二年生。
・・・・・・というのは自称で、実は結構お金持ちの家の生まれだったり、体が弱くて体育の授業に全く参加できなかったりと、「ごく普通」からはちょっと外れたタイプであったりします。

ある日、彼女は祖母から、実はずっと前から決められていた許婚がいて、顔合わせをするように言われます。
その許婚は同級生で、しかも「宇宙人」と呼ばれているような学校一の不思議系男子である藪之内真王(やぶのうちまお)。

成績も良く、運動能力も抜群で、外見もまあまあ良い真王は、能力面だけ見ると魅力的な相手ではあるのですが、何を考えているかよくわからないつっけんどんな態度をするところに、星姫はものすごく戸惑ってしまいます。

そんなある雨の日、星姫は無理やり家まで送ろうとする真王の誘いを断ろうとしとしてもみ合っている最中に、真王に大きなキツネの耳と尻尾が生えてくるのを目の当たりにします!

そう、実は彼は変な「人」でも「宇宙人」でもなく、キツネだったのでした!

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すごく不器用な半妖(狐)男子と、自覚がないけれど同じくらい不器用な人間女子の、徐々に近づいていく関係が丁寧に描かれたラブコメディです。

ケモミミとしては真王のほかにも、東山家と分家の関係にあり真王をライバル視している兎耳の因幡騎士彦、そして星姫を敵視している熊耳の旭川姫百合が登場します。

星姫と真王に負けず劣らず、この騎士彦と姫百合もかなり人間関係に不器用なタイプであり、そういう不器用な人(?)たちの姿を描くのが本作のテーマといえそうですね。

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今回気になったのは下のシーン。
熊の姿になった姫百合。
「醜い正体」だと自称しているのですが、この後星姫に本気で「かわいい」と評されて熊耳をさんざんもふられてしまいます。
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『星姫と孤高のきつねくん』1巻P141(東ジュン/スクウェアエニックス)












近年、ケモミミやケモノ(獣人)が主役格として登場する作品が多くなったため、半獣のキャラクターに対する印象としては「かわいい」とか「かっこいい」という感想が出てくることが大半だと思います。
「醜い」という表現が出てくる本作は珍しいです。

でもかつては、半獣のキャラクターというのは「醜いもの」というイメージで描かれることが多かったんですね。
ホラー漫画なんかが特にそうで、水木しげる作品に登場する猫娘たちも、そういう部分(「醜いもの」として蔑まれる)が強く反映されたキャラクターだったりしました。
怪奇猫娘
水木 しげる
小学館クリエイティブ
2008-11


私が知っている限りでは、2002年公開のアニメ映画『猫の恩返し』の猫化ハルを「醜い半猫の姿になってしまって・・・」と表現するコラムが存在していましたので、2000年代初頭までは「獣化した人=醜い」という感覚が残っていたと言えそうです。




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