現代日本っぽいけど日本じゃない異世界の国・モリタニア連合王国を舞台に、正社員を目指す草食系派遣オークの生き様を描く、第28回ファンタジア大賞・審査員特別賞受賞作『姫騎士はオークにつかまりました。』の2巻目が6月18日より発売中です!

長い戦乱の末、様々な異種族が連合して出来上がった王国・モリタニア。
百年もの長きにわたって平和が続いてきたこの国は、今、不景気の真っ最中!

里中・オーク・弥太郎は社会の歯車になるような「当たり前の生活」にあこがれつつも、コミュ障な性格がたたってまともな就職ができず、派遣オークとして姫騎士の島津・ナイト・杏樹のもとで働いています。

杏樹の父は王様なのだから、前回、彼女を助けた弥太郎を公務員か正社員にしてくれてもよいはずですが、そこは現代の君主制の国らしく、あまり王家が勝手な利権を行使するとマスコミの目が厳しいようです。

というわけで、弥太郎は相変わらず派遣オークのままで・・・・・・最近注目のアイドル大集団「グリム・オブ・ラブ」のポスターを見ながら、彼女らの華やかな生活に想いをはせたりしていました。

そんな中、弥太郎に偶然が重なって、「グリム・オブ・ラブ」の人気最下位メンバー、ウサギ獣人の宇佐美・デミット・かなでと知り合うチャンスが訪れるのですが・・・・・・!

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現代日本の色々な事物をパロディにしながら、それでもなんとなくファンタジーな匂いの漂う、ヘンテコな異世界を舞台にしたコメディ作品です。

ファンタジーとしてはマイク・レズニックの『一角獣をさがせ!』あたりの系譜に入るかな。レズニック作品で皮肉っていた米国・マンハッタンを、現代日本でやってみたのが本作といった感じ。
一角獣をさがせ! (ハヤカワ文庫FT)
マイク・レズニック
早川書房
1990-12


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今回のヒロインとなる宇佐美・デミット・かなでは、ちまっこいけど健気で努力家な苦労人(苦労兎?)といったタイプのキャラクターです。

日本のサブカルチャーではイソップ童話の『ウサギとカメ』のイメージを反転させた、苦労人な兎耳キャラクターが多く登場する傾向があります。『デ・ジ・キャラット』の彼女とか典型かも。


童話のような怠惰な兎耳というのは少数派で、怠惰属性を持っているのは主に猫耳キャラクターだったりします。これは人間から見た時のリアル猫の生態をそのまま反映させたものなのでしょうけど。
兎耳キャラクターの造形はリアル動物の生態よりも、イソップ童話といった他の「物語」からの影響を強く受けるみたいです。



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