死んだ後も電脳世界の「天国」で生きられるようになった夢の世界で、悪夢のような事態が進行する中、この「天国」を守るために主人公一行は戦い続けます!
第4回講談社ラノベCC受賞作『イー・ヘブン』の2巻目、『死者の海賊と崩壊のメトロポリス』が6月2日より発売中です!

死後に脳内データをバックアップする技術「ソウル・アップローディング」の技術が実現した近未来。
人類は肉体を失った後も、データという「魂」のみで永久に電脳世界で生きることができるようになりました。

主人公の青年・レイジが生きる電子の冥界=「イー・ヘブン」は、往年のオンラインRPGを模した世界となっており、この世界で生きる人間はみなファンタジーRPGの住人っぽい姿に転生して、第二の生を送っています。

そんな「イー・ヘブン」。まさに理想の天国になるはずでしたが、致命的なバグ「モリオン」の存在が、この天国を悪夢の渦中に叩きこんでしまいました。
電脳世界の中ではゲームのモンスターのように見える「モリオン」。人間のデータも含め、ありとあらゆるデータを破壊し、空白に還元してしまうモリオンは、美しかった「イー・ヘブン」の世界の大半を破壊し尽くしてしまいました。

前回、レイジと仲間たち――憲兵の少女・マイカとコボルト娘・シオ――の活躍によって世界を蝕むモリオンを一旦全滅させることに成功したわけですが、今回、モリオンに完全に破壊されてしまったはずの外世界の海から、一人の女性がやってきます。

実は「イー・ヘブン」にはサブサーバーが存在し、その女性・イヴリンはそのサブサーバの世界からやってきたようなのですが・・・・・・。
そちらの世界でもモリオンらしき不正存在の侵蝕が始まっているらしく、レイジは正義感の強いマイカの想いを受けて、イヴリンの住む国、「現代国家プロメテウス」に助太刀するべく旅立ちます!

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「オンラインゲームの世界でチートパラメーターの主人公が無双する」という近年よくある設定を使いながらも、対するバグ「モリオン」の破壊能力が主人公よりもさらに凶悪なため、かなりシリアスな物語になっています。強大なモンスターを一匹二匹倒したところで、事態が好転してる感が全然無いというか・・・・・・。

ウスパー氏の描く『猫耳猫』(『この世界がゲームだと俺だけが知っている』)のバグ世界を、ギャグじゃなくて絶望方向に振ったら、この『イー・ヘブン』になるなあといった感じ。

2巻は死の無くなったはずの世界における「死」について、多く語られている印象を受けます。

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本作では、ほぼ9割がた犬耳っ娘な、コボルト娘のシオが登場します。頑張り屋で健気なところが、いかにもわんこっぽくてカワイイ娘です。

RPG風ラノベに登場する獣人種族は猫、狼が多いのですが、近年はときどき種族:コボルトとしての犬獣人を見かけることがあります。ラノベでは他に、『最強ゲーマー、異世界にて実況プレイ中』で犬耳コボルト娘が登場していました。





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