多数派の人間に少数の獣人が管理下に置かれている社会で、ひっそりと暮らしていた天涯孤独のウサギ娘は、獣人保護庁・長官の屋敷に保護されることになりますが・・・・・・・。

 おっとりウサギ娘と、生真面目な軍人さん・・・もとい国家公務員とのラブストーリー、『ウサギ娘とだんな様』が12月14日より発売中です!

 ウサギの獣人であることを隠して、人間のふりをして生きてきたウサギ娘。
 名目上は「保護する」ということで、獣人は人間の保護者を持つことになってましたが、実際のところ、個体では人間より強力な獣人を管理下に置くことが主目的であり、誇り高い獣人の一部は人間から隠れて暮らしてきました。彼女もそんな獣人の一人です。

 特にウサギの獣人は人間の嗜虐心を呼び起こして苛められやすいということで、ウサギ娘は自分の正体がばれることを強く恐れていました。

 そんなある日、彼女はとある若い軍人――実は獣人保護庁の長官――に獣人であることを見破られ、彼の屋敷に保護されることになってしまいます。
 最初は警戒していたウサギ娘ですが、長官の紳士的な振る舞いに、徐々に警戒心を解いていくことになるのですが・・・・・・。

※ ※ ※

 甘々な獣人ラブラブ小説です。
 ウサギ娘以外にも、屋敷の守衛である狼男や、ブティックの看板娘である猫娘といった多数の獣人たちが登場します。

 本作の特徴としては、獣人たちのいる世界観を曖昧にせず詳細に描いているところ。ウサギ娘が「尻尾を出せる服」を買うためのエピソードだけでも結構なページ数が使われています。
 あと実際のウサギの生態に沿ったウサギ娘の描写が行われるのも特徴的。ウサギ娘の好物を人参じゃなくて「シロツメクサ」にしているところは、そのあらわれだと思います。

 もうひとつ面白いのが、この作品、ウサギ娘にしろ長官にしろ登場人物の「名前」が出てこなくて、最初から最後まで全登場人物が役職名や通称で呼ばれます。
 このあたり、ある種のおとぎ話のような、独特の雰囲気を醸し出すことに成功しています。



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