転校した北海道の田舎の学校で、獣の化身である男子四人と親しくなった女子高生こむぎ。
 でも、複雑な事情を持つ彼らは、彼女になかなか心を開いてくれず・・・・・・。

 ケモ耳男子たちとの不思議なスクールライフを描く、『私のオオカミくん』の単行本2巻目が6月5日より発売中です!
私のオオカミくん(2) (KCx)
私のオオカミくん(2) (KCx)

 ニホンオオカミの人外の大神結、人間嫌いの化け狐・伏見燐、楽天的な化け狸の淡路青芝、いつも眠そうな猫又・深山千里の四人のケモミミ男子と、だいぶ親しくなった楠木こむぎ。

 特に、物静かで優しい結に心を惹かれるこむぎですが、結は「人間」のこむぎとは、決して深い関係にはなれないと断言します。
 結の出生の秘密を知り、なんとか結の感情を理解しようと努めるこむぎですが、彼との距離は広がるばかり。

 あまりにつらくて涙をこぼすこむぎを、伏見燐が慰めてくれますが・・・・・・。

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 よく気遣ってくれる美形のケモミミ男子たちに囲まれているのに、こむぎは誰とも本心から仲良くなれない、という、なかなか重い展開が繰り広げられます。
 「ケモ耳男子そろい踏み!!」という風に宣伝されている本作ですが、2巻ではケモ耳というより、本来の獣の姿そのままで登場するシーンが多いですね。

 「狼の平熱が40度」というのは、この作品で初めて知りました、、、
 ケモミミさんとハグすると、人間と異なる体温の差が感じられる、というのは面白い設定かも。

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 第6話にて、200年以上生きるヤタガラスの化身・八咫九朗が登場し、町役場職員として人化した獣たちの戸籍操作やダム建設計画の差し止め等を行っているらしい話がでてきます。

 人外種族が田舎の役場に入り込んで、合法的に居住権を確立していく、というネタはホラー小説の『屍鬼』あたりがはしりではないかと思うのですが、近年は『【急募】村長さん』などのケモミミ妖怪モノでも時々見られる設定ですね。このネタの今後の広がりに注目したいところ。

屍鬼〈1〉 (新潮文庫)
小野 不由美
新潮社
2002-01-30



 


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