新編『このはな綺譚』の単行本が先日出版された、狐っ娘&百合漫画の『此花亭奇譚』。
 打ち切り状態となっていた旧バージョンの内容を再編集した新装版『此花亭奇譚』の上巻が5月23日より発売中です!
此花亭奇譚 新装版 (上) 此花亭奇譚 新装版 (バーズコミックス)
此花亭奇譚 新装版 (上) 此花亭奇譚 新装版 (バーズコミックス)

 基本的な内容は2010年に出版された単行本1巻の内容とほとんど同じで、追加の描き下ろし特別編として、子供時代の柚を描く『柚が拾われた日』が収録されています。

此花亭奇譚 1 (IDコミックス 百合姫コミックス)
天乃 咲哉
一迅社
2010-01


 旧版と新装版、実は全く同じではなくて、ところどころ台詞が変わっていたり、ゴシック体で強調される部分が異なっていたりします。
 単に誤字脱字を修正した、という程度ではなく、明らかに印象が変わっている部分もあって、新編『このはな綺譚』に繋がるように再構築しようとする意志を強く感じます。

 特に大きな違いが見られるのは第三話『咲くや此の花』のラストの台詞。

   旧版『桜前線の足音遠く――  此花亭には 初夏の足音が近づいています』
  新装版『桜前線の足音を背に  帰りましょう わたしたちの此花亭へ』


 この話は柚と皐がより深い関係になるエピソードですが、新装版の方がより「仲間」「我が家」「家族」的な印象が強調されています。
 旧版の書き方は、もともと此花亭の春夏秋冬を順番に描いていく予定だったから、こうしていたのかな?

※ ※ ※

 絵については、1コマだけ、大きく異なっているシーンがあります。
 第1話、柚が桐に連れられて、此花亭の上から初めて町全体を見渡すシーン。
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『此花亭奇譚』1巻P18・19(天乃咲哉/一迅社)







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新装版『此花亭奇譚』1巻P18・19(天乃咲哉/幻冬舎)










 旧版では、町が平地の街道沿いにあるような景色になっているのですが、新装版では山間の宿場町といった雰囲気になっています。このあたり、新編『このはな綺譚』の設定に合わせた描写になっているんですかね?



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