書店員の日々を描いた『本屋の森のあかり』等、独特の雰囲気の仕事漫画や一風変わった設定のファンタジーに定評のある磯谷友紀氏による、初のガールズラブ作品集・『さようならむつきちゃん』12月29日より発売中です!

 ケモミミに関係があるのは、表題作の『さようならむつきちゃん』。
 「かこ」(表紙の付け耳の女子)と「むつき」(眼鏡をかけている方)は長年同居生活をしていました。
 けれども、むつきはとうとう普通の男性と結婚することになり、二人で過ごす最後の夜の場面が描かれます。

 かこの母親とむつきは元々、先輩後輩の関係で・・・・・・かつては同居生活をするほどの仲。
 しかし、かこの母親はむつきを捨てて普通の男性と結婚してしまいました。

 そして今、むつきは自分を慕う、年下のかこを捨てようとしています。

 この、繰り返される因果を繋ぐキーアイテムとして使われているのが、かこの付け耳。
 これは、むつきに『今日からうちの猫~ だから遠慮しないで』と言われて付けさせられたアクセサリーなのですが、回想シーンで、この付け耳は元々むつきが付けていたアクセサリーだということが分かります。

 場面の同一性が、付け耳という(見た目に)特徴的なアイテムを使うことで、より強調して表現されています。
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『さようならむつきちゃん』P18(磯谷友紀/新書館)





 一見コスプレアイテムのような付け耳が、わりとシリアスシーンに使われがちなことは、以前話題にした、うつみや聡『そして私は猫になる。』でも触れました。
 この『さようならむつきちゃん』はその傾向を見事に体現している作品と言えそうです。


 もう一点、本作には重要な付け耳のシリアス表現がありまして、、、、

(ネタバレ気味なので、知りたい方は『続きを読む』をクリックのこと)
 最後の場面。
 結婚式の後にかこは付け耳を捨ててしまいます。

 この「付け耳を捨てる」という行為は、『ぴたテン』の小星ちゃんもやっていましたが、付け耳を捨てることで過去(子供時代)と決別したことを、強く読者に意識させる効果を持っています。
 いわゆる普通の品ではなく、付け耳、というおちゃらけたアイテムだからこそ、それをヒロインが捨ててしまうことのシリアスさとのギャップが、強い印象を残すんでしょうね。



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