サイボーグ技術や神経接続ネットワーク、アンドロイド等が実用化されつつある混沌とした近未来。
 人工リゾート島≪セナンクル・アイランド≫を舞台に、夢は「世界平和」な脳ミソ以外全部機械のお気楽天然娘・七転福音(ナナコロビ・ネネ)と、ネコミミでメイド服で戦闘アンドロイドなクラリオンのちょっと物騒な(?)日常を描く、『紅殻のパンドラ』単行本5巻目が12月22日より発売中!

 デパート火災に巻き込まれた後、ダメージを受けた身体を修復するために病院を訪れたネネとクラリオン。
 最新技術によるメンテナンスを受けて、ようやくひと段落といった気持ちのネネ。
 その一方、クラリオンはデパート火災の原因が巨大自律掘削装置「ブエル」の暴走によるものだと判断し、「ブエル」に接触しつつあるアメリカ帝国軍の排除、および「ブエル」の「安定化」処置を目的として、ネネに黙って米帝軍の地下秘密基地に殴り込みをかけるわけですが――

 4巻とは一転して、戦闘メインのエピソードが多数収録されています。
 巻末の士郎正宗氏の解説や初回特典のオールカラー設定集、そしておまけ漫画の『なにかで配信バンドラジオ』で、本作の背景設定に関することが多く語られている巻になっているので、連載を読了済み人でもオススメの単行本です。
 士郎氏の解説文で、クラリオンのネコミミ&エプロンドレスというデザインについて『綿の国星』の事が触れられている点に注目してます。やっぱりこの年代のクリエイターの方はチビ猫を意識してしまうのかなあ。
綿の国星 3 (白泉社文庫)
大島弓子
白泉社
2013-08-02


 今回ちょっと気になった描写。
 クラリオンが簡略化されてネコのシルエットとして描かれているのですが・・・。
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『紅殻のパンドラ』5巻P39(六道神士・士郎正宗/角川書店)














 こういう描き方、最近他のネコミミ漫画でも結構見かけるのですよね。
 下はコミカライズ版『えとたま』の一場面ですが、他の娘が普通に描かれているのに対して、ネコミミのにゃ~たんだけがネコのシルエットで簡略化されています。
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『えとたま』1巻P123(氷野広真/吠士隆&是空とおる/白組&タブリエ・コミュニケーションズ/KADOKAWA)










 他には柚木色氏のネコミミ漫画『ぬこづけ!』で、こういう描写が多用されていますね。


 こういうシルエット描写、ゆるゆるな雰囲気を演出できる以外にも、複雑なデザインのキャラ(メイド服のクラリオンは特に)を楽に描ける、という作者側の事情もあるのかもしれませんが・・・基本的にネコミミといったシルエット自体に特徴があるキャラクターにしか適用できない、という点で、ケモミミ漫画独特の表現法として位置付けられそうです。



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