私が知る限りでは、(イヌ科の狐耳や狼耳でない)最も古い犬耳っ娘は1987年・桜玉吉『しあわせのかたち』に登場する「本田べるの」ですが、彼女が『ドラゴンクエスト2』の「呪いで犬にさせられていたムーンブルクの王女」をモデルにしていることは、わりと知られていると思います。
 猫を女の子と同一視することで自然発生した猫耳娘と違って、犬耳娘は「女の子が犬になった」元ネタがないと生まれなかったという所に、犬耳+娘という属性の特殊性が見えてきます。
しあわせのかたち 1 (アスキーコミックス)


 犬耳は80年代においてはどちらかというと男性キャラの属性、という傾向があったようです(現在もややその傾向はありますね)。
 たとえば、1986年の『レモンピープル』に連載されていた漫画、くりいりもなか『元気がでるまんぐあ』では、悪戯電話を受けた猫耳娘(子猫ちゃん)が『にゃんにゃん』と言っているうちは、電話向こうの変質者も興奮しているのに、『わんっ』と犬の真似をすると、電話を切ってしまうという描写が見られます。これはつまり、猫娘は良いけど犬娘は萎える、という認識が当時の大半を占めていた、とも考察できます。
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 犬耳娘が違和感なくヒロインになるようになったのはやはり2000年代からで、桜沢いづみ氏が『電撃姫』で連載していた「ヒメゴトすけっち」、もとい「ほぼ犬耳娘コラム」などの影響も大きいのかもと思いますが、このあたりはもう少し調査と考察が必要そうです。