永友秀美氏はようやくケモミミキャラが普及し始めた80年代後半に、ケモノ鼻をもった獣人風の女の子が出てくる作品をロリコン系漫画誌に掲載していた、現代のケモノ系ジャンルの先駆者ともいえる方です。切ない雰囲気とエロティックな部分を併せ持った、大人のメルヘンといった感じの作風が特徴。現在は漫画は描かれていないようですが、pixivで最近の作品が見られます

 『空が耳をすましてる』は異世界ウィンダムベールからやってきた水の妖精ネーレイドの女の子・ルイをヒロインにしたシリーズの一話。水の妖精ですが、姿かたちは下のようにどちらかというと獣人っぽいです。
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『月刊ハーフリータ』No28.P51(画・永友秀美/松文館)





















 横向きの構図で見ると、彼女のケモノっぽさがより際立ちます。猫耳がようやく地位を確立しつつあった時代に、このキャラクターでロリコン漫画を描いていたのは、かなり先進的でした。
『月刊ハーフリータ』No.28P61(画・永友秀美/松文館)
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 ストーリーは彼女に振られて落ち込んでいる人間の男に一目惚れしたルイが、彼を慰めるつもりで、元カノに化けて近づこうとするもの。

 ルイは水の妖精と称していますが、実は人を死に誘ってしまうミュリーコート(ウェールズ地方版のバンシー)なので、彼女と関わった人間はどうしても不穏な結末を迎えてしまいます。そのことを彼女自身が自覚しておらず、かつ彼女自身は人間への好意で溢れている点が、物語を切ない雰囲気で彩っています。



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