「異剣」と呼ばれる超兵器の出現によって、地を割り天を切り裂く、終わりなき大戦乱が勃発した大陸。
平穏な生活を求める独り者の傭兵と、不思議な力を持った亜人の女性は、そんな暴力の世界から離れて、自分たちの理想の住処を作ろうとします。
そんな二人の理想に引き寄せられるのか、荒野のただ中にある酒場「ポッフィ―亭」には徐々に人が集まってきましたが・・・苦労して造り上げた心地よい「住処」を、周囲の侵略者たちが放っておくわけがないのでした・・・!
いわれのない暴力の嵐から大切な場所を守り切る!
大陸を覆う「異剣戦争」の嵐から逃れて、打ち捨てられた古城を拠点に小さな酒場「ポッフィ―亭」を開業した、独り者の傭兵クレオと謎の亜人女性コハク。
暗殺ギルドに追われる謎の青年戦士シュラクに、亡国の女騎士サフィーアも仲間に加わって、だいぶ人手も充実してきたところで、「ポッフィ―亭」は新国家ファルカとムンディマ新教団から立て続けに襲撃を受けます。
さすがの襲撃者の物量に、そろそろ支えきれなくなりつつあるクレオとコハク。
二人に打開策はあるのか!?
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2巻の記事でも書きましたが、この作品、サバイバル拠点設営モノに見せかけた戦記ファンタジーなので、ある程度拠点が力を持ち始めると、否が応でも「戦乱の大陸の一勢力」として振舞わなければならないという縛りがかけられています。
しかし、クレオの望みは「のんびりと生きて死ぬこと」なので、大陸の覇権争いには加わらず、それでいて他勢力から自分を守らなければならないという、かなり難儀な状況を続けなければなりません。
取りうる道は水滸伝の梁山泊のような辺境の要塞を作って引きこもる形だと思うのですが、どういう結末に向かっていくのか、非常に気になるところ。
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今回気になった描写。
コハクを見て猫を思い浮かべるクレオ。
『異剣戦記ヴェルンディオ』3巻P68(七尾ナナキ/小学館)
コハクは確かに猫っぽさがありますが、この世界では亜人は「亜人」という種族のようなので、たぶん猫じゃないと思うのです。
ただ、この世界の文化は「動物が引く車は全部“馬車”と呼ぶ」といったような、大雑把にひとくくりにする傾向があるみたいなので、ケモミミ人種はみんな「猫」扱いされている可能性は否定できず・・・。
今はだいぶ狐耳や狼耳のキャラクターも増えましたが、いまだにケモミミといえば「猫」という傾向は、完全には消えていないんですよね。コスプレの付け耳はだいたい「猫耳」ですし。
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