バグだらけのヴァーチャルリアリティゲーム『New Communicate Online』、通称『猫耳猫』の世界に閉じ込められてしまった相良操麻(=ソーマ・サガラ)。
長い戦いを経てようやく元の世界へ帰るための道筋を見出したソーマですが、様々な事件の過程で、未実装のはずのイベント「邪神」の復活に関わるシークエンスが発動してしまいます!
邪神の力の前に次々と倒れる仲間たち。
ソーマは絶望的な状況からの起死回生を図るため、世界巻き戻しのバグを発動させます!
その結果、ソーマの頭に猫耳が生えてしまうのですが・・・!
既知の攻略知識が通用しない「未実装」領域での最後の冒険!
『この世界がゲームだと俺だけが知っている』、完結編9巻が4月5日より発売中です!
猫耳猫のサービス開始前の予告にだけ出ていて、実装はされなかった最終ボス「邪神」。
しかし、単なる“構想”であっても、この現実化した猫耳猫の世界では実在のものになるのです。
ゲームの猫耳猫のことなら何でも知っている廃プレイヤーのソーマでも、ゲームで実装されていなかった「邪神」のスペック・・・能力については推測するしかありません。
猫耳猫の世界にやってきた従妹の真希は、そもそもこの世界はゲームに似ているだけで「ゲーム」ではないのではないか、必ずしも「クリア」できるようには作られていないのではないか、と不安を口にします。
しかし、超絶バグゲーの猫耳猫を制覇してきたソーマは、この現実化した猫耳猫の世界も制覇できると信じて疑わないのでした・・・!
ラストバトルの行方やいかに!?
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ゲームネタなろう系の先駆作品ともいえる本作も、ついにここで完結です。
ゲームの知識でゲーム世界で無双してきたけど、ゲームの枠を超える想定外の状況が発生するに至って主人公の真の力が試される、という王道中の王道を見事に描き切っています。
ゲームシステム的にほぼ無敵化されている存在をどうやって倒すか、という話は『さて、異世界を攻略しようか。』とも共通してますので、比較して読んでみると面白いかも。
ソーマらしく、微妙にズルい方法を駆使しまくるところは、さすが本作といったところ。
真希の不安告白やサザーンの過去、ラストバトルの最終局面といったシリアスシーンはしっかりシリアスに、それでいてギャグシーンはしっかり笑わせてくれるのが素晴らしいです。
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この最終巻、主人公ソーマがずっと猫耳姿でラストバトるという点で、猫耳作品としてもかなり特異です。
ポーカーフェイスの猫耳娘ミツキ・ヒサメにいたっては、猫耳が生えたソーマに一目惚れしてしまう、という凄い状況になります。「複数ヒロイン物だと、ケモミミヒロインは主人公と結ばれない」の法則を、最後の最後にかき乱してくる所は、なかなかやっぱり凄い作品だと思いますよ。
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小ネタですが、幕間の質問掲示板ネタの中で、『天啓的異世界転生譚』の猫神様シロニャが書き込みしている所がにくい。
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