「竜殺しの英雄」として揺るぎない名声を得ながらもその名声を嫌って隠遁していた男は、薄幸の犬耳少女を引き取ったことで、その生活・心境が大きく変化することになりますが・・・。
純粋な犬耳娘と真剣に向き合うファンタジー『押しかけ犬耳奴隷が、ニートな大英雄のお世話をするようです。』の2巻目が1月24日より発売中です!
竜殺しの英雄「千竜殺」として知られる男・リーンハルトは、友人にしてパトロンであるレオポルト皇子の依頼を受けて、非合法の人身売買組織に囚われていた犬耳少女マイヤ(12歳くらい)の身元引受人となりました。
戦闘種族である狼犬族として生まれ育ってきたにも関わらず、戦闘力が弱くて雇い主や仲間から疎まれ続けてきたマイヤ。
そのせいで異様に自己評価が低かった彼女ですが、リーンハルトが「十分に人の役に立てるだけの能力を持っていること」をしっかり言い聞かせた結果、マイヤはようやく少しずつ自信が持てるようになってきたようです。
それまで世捨て人的な生活をしてきたリーンハルトの方も、マイヤが来たことによって、世の中と関わる機会が増えてきました。
マイヤが偶然仲良くなったメイド友達(?)エッダの雇い主である大商人ゲルトの護衛の依頼を受けることになったリーンハルトは、意図せずして、巨大な陰謀の中に巻き込まれてゆくことになりますが・・・。
他の「竜殺し」が敵に加担している可能性も浮上する中、リーンハルトとマイヤは果たしてこの危機を乗り越えることができるのか!?
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Web版の第二部が大幅加筆修正されて書籍化されています。
前回1巻の記事でも指摘したのですが、近年のライトノベルとしては驚くくらい硬派なファンタジー作品なのに、タイトルがコメディっぽい/ハーレムものっぽい感じなのでだいぶ誤解されてそうだなあと感じてしまいます。
個人的に「最近のラノベはなろう系の異世界転生モノばかり」と言うような人にぜひ読んでほしい作品です。Web小説&ラノベの最新の潮流が大きく変化しつつあることに気づくことかと思います。
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1巻ではかなり酷い状態だった犬耳少女マイヤが、今回はそれなりに幸せそうにしていて、本当によかった・・・よかったなあ・・・としみじみ思いながら読み進めていく感じになります。
リーンハルトに守られているだけでなく、リーンハルトにはない能力(人や物の匂いを正確に嗅ぎ分ける等)を使って適切にサポートしているところや、普通の人間よりも高い身体能力で果敢に襲撃者に立ち向かっていくところなど、マイヤが徐々に自信を取り戻して成長していることがが分かるのも良いです。
その一方で、何気ない言葉に心を揺さぶられたり、心無い言葉に怯えてしまったりする「弱い」面がマイヤにまだ残っている事をきちんと描いている点も巧い。
第四章におけるマイヤの戦いの描写は、これまで読んできたラノベの戦闘シーンの中でもトップ3に入るくらい巧みだと思いますよ!

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