ケモミミ生活 ~獣耳作品情報ブログ~

獣耳のいる生活をはじめてみませんか?
獣耳キャラクターに関連する最新情報と懐かしい情報を織り交ぜて紹介していきます。

※世界で唯一(?)の獣耳評論サークル・S猫出版部のブログです。
※『総解説・猫耳史』『総解説・狐耳史』『総解説・兎耳史』等を頒布しています。
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2016年06月

メイド喫茶じゃなくてバニーガール喫茶だった頃~1984年・沖田佳雄『センシティヴMIZUHO』

沖田佳雄氏は『漫画ブリッコ』『プチアップルパイ』ほか、80年代の美少女系漫画誌で活躍されていた方。あと、当時のSF雑誌関係のイラストも手掛けられています。

『漫画ブリッコ』の増刊、イラストを中心にした『ペパーミントギャラリー』にて、横須賀出身の日米クォーター・有明瑞穂14歳を激写した、という設定のイラストコーナーが収録されています。
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『漫画ブリッコ84年5月増刊号・ペパーミントギャラリー』P94(沖田佳雄/セルフ出版)













面白いのが下のバニーガール姿の瑞穂ちゃん。

「学園祭の模擬店でウェイトレスをやった時の・・・」となっているのですが、2000年以降の漫画においてコスプレする学園祭の模擬店といえば、かなりの確率で「メイド喫茶」になると思うのです。80年代は、その位置に「バニーガール喫茶」があったみたいなんですよね。

当方の個人誌『総解説・兎耳史』でも書いたのですが、1978年に東京大学の学園祭「駒場祭」で、モダンバレエ研究会の東大生たちがメイド喫茶ならぬ「バニーガール喫茶」を開いた記録が残っていたりします。

バニー服もメイド服も、かわゆい感じで非日常性が凄まじい、という共通点から、お祭り回の衣装として選ばれやすいのでしょうね。



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猫耳男の娘は結構昔からいるんだね~1984年・服部あゆみ『オレンジトリップ0926』

服部あゆみ氏は80年代から2010年代にいたるまで、様々な媒体で活躍されている漫画家。
代表作《風水斎》シリーズのほか、約30年近く続くコバルト文庫の(というか少女小説・ラノベ全体でみても)最長級シリーズ、《星子》シリーズのイラストを手掛けています。


また、元・アニメーターとして『ミンキーモモ』のキャラデザを手掛けていたことが良く知られています。


その服部あゆみ氏のデビュー作が、スペースパトロールの男女二人のドタバタを描くSF漫画『オレンジトリップ0926』です。
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『オレンジトリップ0926』表紙(服部あゆみ/徳間書店)










SPSS(スペースパトロール・スペシャル・セクション)に属するアクティブ・・・・・・というより猪突猛進に近い女性捜査官のセラと、彼女をサポートする猫型種族の捜査官・タマサブローが、超種族の古代遺物「火星人路(マーシャンロード)」に関わる事件に巻き込まれていくというお話。

常に怒っていてやたら突撃的なセラも面白いのですが、ケモミミブログ的には、見た目がほぼ女の子にしか見えないタマサブローの特徴的なキャラクターが目を引きます。

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『オレンジトリップ0926』P50(服部あゆみ/徳間書店)








タマサブローは喋り方も立ち振る舞いもかなりフェミニンな感じなのですが、服装は女装ではない(ボーイッシュな格好をした少女という雰囲気)というところが、今の視点で見てもかなり絶妙なバランスの男の娘になっています。

過去に『幸運猫』の記事で、「三毛猫の男の娘」キャラクターは「ネコミミ」が「男の娘」属性と出会ったことで生まれた新種の萌え属性なのではないか、と考察していたのですが、三毛猫ではない猫耳男の娘は、猫耳漫画の原点『綿の国星』から早くも5年程度で出現していたということなのですね。



21世紀の萌え属性はどんなに新奇に見えても、すでに80年代の誰かがやっている、ということが多いのだなあとつくづく感じる今日この頃です。



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続きが気になるけれど・・・・・・。『創生のガオケレナ』

大戦により崩壊した世界を、獣の耳と尻尾を持った亜人と人間の弟が、自らの正義を貫くべく戦い続けます!
『創生のガオケレナ』は6月10日より発売中です!

40年前の大戦争により文明の崩壊した世界。
水も土も汚染され、食料を入手することすら困難な環境ですが、そんな中で各地に点在する「サエーナの樹」とよばれる巨大な樹が、人々に果実という形で食料を供給しています。

しかしこのサエーナの樹、実は植物に擬態した怪物の一種であり、ある時期が来ると人間を襲い始める特性を持った、非常に危険な存在だったのです!

各地をさすらう亜人のセレネと、彼女を姉として慕う人間のカイルは、そのことを知った上でサエーナの樹を刈ってしまうようにと、樹に群がる人間たちに警告するのですが、亜人を差別する人間たちには全く聞き入れてもらえず、とうとうサエーナの樹が変異する場面に出くわしてしまいますが・・・・・・・!

※ ※ ※

人間の弟が、ケモミミのついた人外の姉を慕うという設定は『戦国妖狐』に近い感じで・・・・・・。

戦国妖狐 6 (コミックブレイド)
水上悟志
マッグガーデン
2012-10-25


文明の崩壊した世界で、助けようとしている人々に理解されず酷い目に遭わされるという流れは『アイアンナイト』に近い設定ですが・・・・・・・。


人間の弟・カイルが「姉のためならどんな非道なこともする」というダークヒーロー的な立ち位置であるため、先の二作品とはかなり雰囲気の異なる作品となっています。

元は生物兵器だという亜人の設定や、知性?を持っている植物・サエーナの樹=ヤザタの設定など、気になる伏線が多数張られているのですが、この単行本の収録分で一旦中断のようです。

※ ※ ※

ケモミミとしては姉のセレネ(狐っぽい)に、人間に苛められていた亜人のダニー(犬っぽい)、軍隊のような組織としてセレネたちと対立している、指揮官のアマハラとバーツ(どちらも狼?)が登場しています。

バーツは近年では珍しい、「人間の耳のところに直接ケモミミが生えている」ケモミミキャラです。
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『創生のガオケレナ』P129(川津典昭/マッグガーデン)










90年代くらいは『天空のエスカフローネ』の猫娘メルルや、『はいぱーぽりす』の狼男バタネン先輩といった、人の耳がそのままケモミミになっているキャラが結構いたものですが・・・・・・・
天空のエスカフローネ Vision.5 [Laser Disc]
矢立肇
バンダイビジュアル
1996-11-25



今は『モンスター娘のいる日常』のセントレアさんが、貴重なそれ系のキャラですね。
モンスター娘のいる日常(3) (RYU COMICS)
オカヤド
徳間書店(リュウ・コミックス)
2014-07-18


 

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狐の姉と弟の物語、ついに完結!『戦国妖狐』17巻

千本妖狐になった迅火を救うため、千夜と月湖となう、真介と灼岩、そしてたまが、総力を結集して最後の戦いに身を投じます!

戦国狐耳バトル漫画『戦国妖狐』の堂々の完結編17巻が、6月10日より発売中です!

人どころか闇(かたわら)すら超える究極の人外となり、自らの魂の在り処さえも見失ったまま、8年間も暴走を続けていた迅火。

千夜とたまと仲間たちは、迅火の周囲を取り巻いていたありとあらゆる悪意や障害を取り除き、ようやく彼に手を差し伸べられる所までたどり着きました!

万象王すら超える、凄まじい霊力の大嵐と化した迅火――千本妖狐の力を、千夜は体内に宿る千の闇の力を全て解放して凌ぎ、たま・真介・灼の三人は迅火の中に幽界干渉して、暴走する彼を精神世界の側から救い出そうと図りますが・・・・・・!

※ ※ ※

たまの見せ場が多いです!
やっぱり本作は『戦国“妖狐”』だし、最後は狐が活躍しないとね!

たまが迅火に望んでいたこと、そして迅火が本当に望んでいたことに気づいていく、第96話『迅火とたま』の展開は本当に圧巻です!

※ ※ ※

前巻でも出てきた「皆が幸せになる方法」という言葉に最も近い形で物語が推移していくわけですが、唯一、多くの人と闇の運命を狂わせてきた断怪衆の野禅にだけは、厳しい結末が待ち受けています。

野禅も闇であるたまの母親・くずのはを種族を超えてずっと愛していたという点では、種族を超えて心を通わせるたま・迅火と同じ価値観を持ち得る人物だったのでしょうが、方向性を大きく誤ってしまったところが結末の差となった感じです。

闇になりたがっていた迅火に対して、くずのはは人間になりたがっていたというところで、たま-迅火と、くずのは-野禅はちょうど対称の関係になるように設定されていたのだなあと、最後の最後で新たな発見となりました。

戦国妖狐 6 (コミックブレイド)
水上悟志
マッグガーデン
2012-10-25


戦国妖狐 16 (コミックブレイド)
水上悟志
マッグガーデン
2016-02-17




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猫娘と蟻の街へ。『血翼王亡命譚Ⅱ-ナサンゴラの幻翼-』

鳥が喋り、王族は手話で会話し、血液そのものに神秘の力が宿っている不思議な世界。
そんな世界で、大切な使命を見失ってしまった護衛官の青年は、熱情的に伝説を追い求める猫娘と共に旅を続けます。
第22回電撃小説大賞・銀賞受賞作『血翼王亡命譚』の2巻目、『ナサンゴラの幻翼』は6月10日より発売中です!

旅の舞台は森と獣に彩られた「赤燕の国(レポルガ)」から、世界で唯一の蟻の産地、巨大な湖の下にある街「ナサンゴラ」へと移ります。

巨大な湖の「下」とはどういうことかというと、巨大な壁によって囲われせき止められた湖の側にあるという意味で、挿絵を見るとちょうど「アーチ式ダム」の下に街があるような風景になっています。
ナサンゴラの壁は太古の昔に鳥が築いた超技術の遺産「鳥献」であり、この世界で荷役用の家畜として使われる巨大な「蟻」は、このナサンゴラの湖から生み出されるのです。

ナサンゴラが《翼人の墓》と呼ばれていることから、「翼」の伝説を追い求める猫の商人イルナはその地に行く準備を始め、大切な使命を見失って虚しい日々を過ごしていた元・護衛官のユウファも、彼女の旅に同行することを決めます。

ナサンゴラまでの道は秘境と呼ばれるほど険しいため、イルナはナサンゴラまで行く「蟻飼い」の隊商と交渉して、道案内をお願いすることに。隊商を率いる蟻飼いは、姉妹とも見まごうような母子のジルとサーニャです。

ジルは「花槍」と呼ばれる変わった形状の槍を扱う温和な女性で、商人というよりも武芸者という方が良いくらい各国の武術に通じており、ユウファが赤燕の剣術の使い手であることを一瞬で見抜いてしまうほど。
サーニャは九歳で母親の仕事を手伝っている、本当に元気な女の子です。

賑やかなメンバーに囲まれて、伝説に彩られた町ナサンゴラへと向かうユウファ一行ですが、その地で母子の因果をめぐる、壮絶な悲劇に巻き込まれることになります・・・・・・・!

※ ※ ※

前巻の結末からどうやって続けるのだろうと思っていたのですが、「取り返しのつかないことをしてしまったけれど、それでも生き続けなければならない人々」を描く流れに変わっていて、物語の持つ熱量は全く衰えていません。

今回も近年のラノベでは見られないような異色の事物が満載で、前巻よりもパワーアップしている感すらあります(2巻から用語集がついて分かりやすくなった!)。
中盤以降のナサンゴラに関わる秘密は、ブランドン・サンダースンの『エラントリス』を彷彿とさせるような大がかりなもので、これほど奇想に富んだファンタジー建築物は久々に見たかも。



※ ※ ※

今回は猫耳娘イルナと旅する話なので、彼女の出てくるシーンは非常に多いです。

イルナは猫耳も生えていて見るからに「猫」な娘なのですが、実は猫耳の生えていないジルも、猫の血を引いているという話が出てきます。

用語集を見てみると、この世界の人間は「蛇」「鳥」「猫」のいずれかの血を宿す、となっていて、血の濃い薄いの違いがあれ、本作に登場する人間はみなカテゴリー的には獣人になるわけですね。

2巻で登場する青鷹のフェムガンが語る内容からして、人間の創生自体にも、何か大きな秘密がありそうです。



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