ケモミミ生活 ~獣耳作品情報ブログ~

獣耳のいる生活をはじめてみませんか?
獣耳キャラクターに関連する最新情報と懐かしい情報を織り交ぜて紹介していきます。

※世界で唯一(?)の獣耳評論サークル・S猫出版部のブログです。
※『総解説・猫耳史』『総解説・狐耳史』『総解説・兎耳史』等を頒布しています。
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実は一種の現代的化け猫ホラーなのかもしれない。『アタマのナカの鈴せんぱい』3巻

人とのコミュニケーションが苦手な九段少年は、頭の中に完璧な理想の女の子「鈴せんぱい」を作り出し、長い間彼女とともに日常生活を送ってきました。
しかし、優等生なのにパパ活をしていたクラスメートの神田さん、可愛いのにオタトークがひどすぎて避けられていた変な付け耳少女・中野さんといった現実の女の子たちと、思った以上に深く関係を持ってしまったことで、九段少年の中の理想と現実のバランスがどんどん崩れていってしまいます。
そして、今回ついに・・・!

妄想系カノジョとの青春生活漫画『アタマのナカの鈴せんぱい』、急転直下の完結編3巻目が2月22日より発売中です!
人付き合いが極端に苦手で孤独な中学生・九段少年は、女の子と一緒に遊びたいという欲求が極まって、現実のオカルト人造精霊生成術としても知られるチベットの秘儀「タルパ」を実践し、完全な想像上の彼女「鈴せんぱい」を生み出しました。

他人には見えない一種のイマジナリーフレンドであっても、それはそれで幸せに完結していた・・・はずの九段少年ですが、現実の女の子・神田さんと思った以上に深く関わってしまったことで、「現実とは別の想像上の神田さん」がタルパになってしまうという予想外の事態が起きてしまいました。

タルパを持つ九段少年をそれゆえに面白がる女の子・中野さんがやたらと関わって来るようになった上に、今回もう一人、彼からタルパの生成法を教わりたいという新たな女の子・蔵前菜々が現れて、それゆえに九段少年の中の「鈴せんぱい」の像が揺らぎます。

そして、現実と理想がせめぎ合った末に、予想だにしない事態が起きてしまうのでした――

※ ※ ※

妄想の世界で生きる二次元愛の少年が、現実に打ちのめされる感じのほろ苦い青春の物語になるのかな~・・・と甘い予想をしていたのですが、本作、予想していなかった方向に話が転がっていきます。

特に付け耳少女、中野さんの存在の不気味さ加減がなかなか凄い。

過去の記事でも言及していますが、単なるコスプレでなく常に猫耳を付けている「付け耳キャラ」は、誰に何を言われようと強固なアイデンティティを主張するタイプなので(そうでないと常に猫耳を付ける、なんて変な恰好をできるはずがない)、終盤でああいった役になるのもある意味納得できる部分があります。

本作、鈴せんぱいも猫口八重歯だったり、語尾に「ニャ」を付けて喋ったりと猫っぽさがある女の子なので、中野さんと含めて、全体がある種の「化け猫(っぽい女の子に破滅させられる)ホラー」になってると言えなくも無いんですよね。

※ ※ ※

本作の作画は、定期的に可愛い猫っ娘ちゃんによるほんわか日記を描かれている「ゆめつきママ」さんなので、女の子たちの絵も全体的にとても可愛いのですが・・・・

不気味な場面では、しっかり「不気味な女の子(?)」を描かれているのが、作風の幅が広くて流石だと思いました。伊藤潤二を彷彿とさせる、生理的嫌悪感を催させる絵がとてもとても良いです。

X(Twitter)の日記でしかゆめつきママさんをご存じない方は、ぜひ本作の作画も見て頂けたらなと思います。



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猫の日を機会に、良質の猫耳メイド成分を摂取しよう! 『エレナの炬火』2巻

猫耳メイドに定評のある、れおはりう氏改め小板玲音氏が『青騎士』で連載中の『エレナの炬火』。
待望の単行本2巻目が2月20日より発売中です!!

これまで連載分についていくつか感想書いていますので、各話の詳細は下のリンクへ。


単行本では最新話である第10話と、エレナの友人サナが語るイントロダクションが追加されています。

私が特に一読をオススメしたいのは第9話。
子供ながらに紫蘭館の仕事を頑張る双子姉妹スオラとソケリの話ですが、第9話の時の記事でも書いたように、この9話を読むことで過去の回でスオラとソケリの登場している場面の見方が変わるんですよ!
区別がつかないくらいそっくりな二人だと思っていたのが、二人とも結構違うことに気付く。
未読の人はぜひ1巻の最初から読んで、この感覚を体験しましょう!
※ ※ ※

残りの第10話は戦争の外傷で7年間眠っていた男性が目覚める話。
紫蘭館の皆が浮ついたのもつかの間、男性は何かに思い悩み、これ以上治療やリハビリを受けることなくとにかく故郷に帰りたいと意思表示をします。
皆が「彼は死にたがっている」と予感する中、エレナが館を代表して、ヴィーリとともに男性を故郷まで一旦送ることにしますが――

「死にたがっている人に対して何ができるか」という、またも非常に重いテーマを真正面から描いた話です。
答えが見いだせない息の詰まる雰囲気が続く話なのですが、その雰囲気を猫耳・尻尾成分が中和して、読みやすくしています。(特に尻尾のみ描かかれているコマの効果が良い)

第1話の感想でも書きましたが「猫耳漫画」であるおかげで、より多くの人にこの作品のテーマが届くようになっていると感じます。猫耳の一つの効用はまさに「とっつきづらい話を読みやすくする」所にあるのですね!

※ ※ ※

物語の雰囲気と仕掛けが素晴らしくその部分だけでも一級の作品ですが、
内容の80%くらいの絵がクラシカルな猫耳メイドなので、美麗で可愛い様々な猫耳っ娘たちの姿を堪能するだけでも、本書の価格の数倍くらいの価値があります。
猫耳メイドが好きな人は迷わず買いです!

キツネ耳アニメの感想。『戦国妖狐』第4話~第6話

たまのトレードマークはそういえば大根だったな・・・ということを思い出させてくれるアニメ版!

●第四話 迅火と人間

この宣伝にも使われているドヤ顔たまが可愛すぎてヤヴァいのですよ。

たまは色々強引で無茶苦茶な部分はありつつも、とにかく真っ直ぐなので、支えて応援したくなるところは、いかにも水上作品らしいヒロインであります。アニメもちゃんとあの長い台詞をきっちり演説している所(特に子供に言って聞かせる場面)が良い。


●第五話 氷岩

『戦国妖狐』の「戦国」要素が見え始めてくる話。
原作はキツネ耳バトル漫画なのだけど、剣豪将軍・足利義輝がちゃんと出てきてちゃんと活躍する数少ない戦国時代漫画でもあるので、歴史好きとしてはアニメでその部分がちゃんと描かれるかも期待なのですよ!

あと本作で好きな点は「龍」がマジで桁違いに強いことをしっかり表現してくれるところ。
東洋西洋限らずファンタジーで龍が出てくるのは定番だけど、やっぱり龍は人の常識では計れないくらいに強くないと!と思う人間なので。
原作漫画は驚異のコマ割り・ページ表現(単行本2巻・P144)で神雲の桁違いの強さを表現していたけど、アニメ版も灼岩の横を吹き抜ける突風、の表現を巧く使って再現しようとしているのが好印象でした。


●第六話 ふこう

「ふこう」の話と「猩々の酒」の話は原作と順番が逆になっていますが、流れ的にはこれでも全然違和感ないですね。
道錬が出てくると本作のワクワク感が加速してきます。
『戦国妖狐』は水上作品の中でも「好戦的な奴らが集って死闘を愉しむ」感が凄く強いのですが、道錬はその「好戦的な奴ら」の代表格ですから。

とはいえ、この第六話はこれまで今まで息もつかせぬバトルバトルバトルな展開だったアニメ版ではわりとバトル少なめの回で、「ふこう」の闇の話は原作よりもイメージが膨らむような内容になっています。こういう寂しげなシーンの演出がアニメは良い感じです。

物語が原作通りなら、次の7話・8話あたりが一つの山場のシーンになるはずなので、そこがアニメでどう描かれるのか楽しみですね!

 
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