猫耳メイドに定評のある、れおはりう氏改め小板玲音氏が『青騎士』で連載中の『エレナの炬火』。
待望の単行本2巻目が2月20日より発売中です!!
これまで連載分についていくつか感想書いていますので、各話の詳細は下のリンクへ。
単行本では最新話である第10話と、エレナの友人サナが語るイントロダクションが追加されています。
私が特に一読をオススメしたいのは第9話。
子供ながらに紫蘭館の仕事を頑張る双子姉妹スオラとソケリの話ですが、第9話の時の記事でも書いたように、この9話を読むことで過去の回でスオラとソケリの登場している場面の見方が変わるんですよ!
区別がつかないくらいそっくりな二人だと思っていたのが、二人とも結構違うことに気付く。
未読の人はぜひ1巻の最初から読んで、この感覚を体験しましょう!
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残りの第10話は戦争の外傷で7年間眠っていた男性が目覚める話。
紫蘭館の皆が浮ついたのもつかの間、男性は何かに思い悩み、これ以上治療やリハビリを受けることなくとにかく故郷に帰りたいと意思表示をします。
皆が「彼は死にたがっている」と予感する中、エレナが館を代表して、ヴィーリとともに男性を故郷まで一旦送ることにしますが――
「死にたがっている人に対して何ができるか」という、またも非常に重いテーマを真正面から描いた話です。
答えが見いだせない息の詰まる雰囲気が続く話なのですが、その雰囲気を猫耳・尻尾成分が中和して、読みやすくしています。(特に尻尾のみ描かかれているコマの効果が良い)
第1話の感想でも書きましたが「猫耳漫画」であるおかげで、より多くの人にこの作品のテーマが届くようになっていると感じます。猫耳の一つの効用はまさに「とっつきづらい話を読みやすくする」所にあるのですね!
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物語の雰囲気と仕掛けが素晴らしくその部分だけでも一級の作品ですが、
内容の80%くらいの絵がクラシカルな猫耳メイドなので、美麗で可愛い様々な猫耳っ娘たちの姿を堪能するだけでも、本書の価格の数倍くらいの価値があります。
猫耳メイドが好きな人は迷わず買いです!