ケモミミ生活 ~獣耳作品情報ブログ~

獣耳のいる生活をはじめてみませんか?
獣耳キャラクターに関連する最新情報と懐かしい情報を織り交ぜて紹介していきます。

※世界で唯一(?)の獣耳評論サークル・S猫出版部のブログです。
※『総解説・猫耳史』『総解説・狐耳史』『総解説・兎耳史』等を頒布しています。
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人の世を惑わす妖狐が惑わされる!? 想うほど苦しくなる狐物語。『化け狐の忠心』1巻

古くから人の世を惑わしてきた妖狐が、実直すぎる武家の若者に翻弄される!?
乱世の日本を舞台にした化け狐&若武者の物語『化け狐の忠心』の初単行本が好評発売中です!

玉藻は古来より人間の権力者を惑わせては喰らってきた妖狐。
その所業が祟って長い間封印されていましたが、乱世の戦乱の最中で封印が解け、燃え盛る館の中で出会った若武者・梅多直澄(うめだなおずみ)を次の獲物として定めます。

陰謀渦巻く乱世の武家の出ながら、清廉実直な直澄の魂に(食欲的な意味で)惚れ惚れとする玉藻。
じっくり堕落させ、美味しく料理した上で喰らってやろうと、侍女として梅多家に入り込んで、裏工作を始める玉藻ですが・・・

あまりにも生真面目で驕るところが無く、そして身の上の怪しい玉藻にも多大な心遣いをしてくれる直澄の態度に、玉藻は心乱されてしまいます。

最初はあくまで自分の獲物だからと、陰謀を企む他の人間から直澄を陰ながら守っていた玉藻ですが、そのうちに、四面楚歌の中でも高潔さを失わない直澄を支えてやりたいと思うようになり――

 ※ ※ ※

殺そうと思っていた相手に徐々に心奪われ、それゆえに苦しむことになる狐の物語です。
1話目はLaLa編集部のツイッター(X)でも読めます。

本作の特徴は、人間と妖狐という種族の差だけでなく、小勢力ながらも武家の跡取りである直澄とただの侍女でしかない玉藻という、身分差に関わる障害が生じてくることでしょう。

以前の玉藻は、邪な人間をたぶらかすことにためらいがなかったので、力のある人間に取り入りトントン拍子で側室・妃になるというようなことができていましたが、直澄に対しては騙したくないという気持ちが働くせいで、結果的に直澄に近づきにくい地位に留まってしまっているというジレンマが発生しています。

話が進めば進むほど、玉藻の直澄に対する気持ちは強くなるのに、直澄に不用意に近づくことに(立場的に)問題が生じるようになり、これからどういう展開になるのだろうとハラハラさせられます。

古来より、狐の恋物語は不幸な結末に終わることが多いのですが、本作ではどうなるのか、先が気になりますね。



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近年の作風とはガラリと変わった本格諜報戦作品!(でもケモミミの核は変わらない!)『幻狼潜戦』1巻

日本が人間の国と獣人の国で東西に分かれて相争う世界。
人間の国で育てられた獣人スパイが、獣人の国に潜入して見るものとは・・・!?
疑念と争いが渦巻く獣人による本格諜報戦を描いた『幻狼潜戦』、初単行本が9月12日より発売中です!
獣人に支配された「東ノ國」と、人間の統治する「西ノ國」に二分された日本。
両者はお互いに相手を脅威と見なして常に争っており、争いが続けば続くほど犠牲者も増え、犠牲者の仇を討とうと両者の間の憎悪は際限なく高まり続けています。

人間の国「西ノ國」に住む人間と獣人のハーフ・九条ウルトは、対獣人の切り札として名門・九条家の養子として育てられており、現在も軍事部隊の中等訓練学校に通って、一人前の軍人になろうとしていました。
彼の想いはただ一つ、自分に唯一無条件の好意を向けてくれる人間、九条家の御曹司である九条麗央(レオ)の支えになること。

もともとウルトは軍人を志している麗央の片腕になることで、麗央を支えるつもりでいました。
・・・が、様々な運命のいたずらから、半獣半人の境遇を生かして獣人の「東ノ國」に潜入し、「西ノ國」を脅かす陰謀を調査することになりました。

麗央と離れていても、自分の活動が彼の支えになるはずと信じて、孤独で過酷な潜入作戦に従事するウルトですが・・・。

※ ※ ※

『今日のケルベロス』で犬っ娘たちとの甘々なラブコメを描かれていた桜井亜都先生の新作ケモノ&ケモミミ作品です!
今日のケルベロス 1巻 (デジタル版ガンガンコミックス)
桜井亜都
スクウェア・エニックス
2014-01-22


近作の『魔女らば魔女れば』もそうなのですが、可愛くて甘々な作品を描く方というイメージだったので、今作『幻狼潜戦』はかなりハードボイルドで甘いところが全くなく結構驚きがあります。
もちろん『今日のケルベロス』でもシリアスな場面があり泣ける作品ではありましたが、ここまで違う雰囲気の物を描けることは凄いです。
魔女らば魔女れば 1巻 (デジタル版ガンガンコミックス)
桜井亜都
スクウェア・エニックス
2019-10-12

2000年代にラブコメ以外のバトル系作品として『アーティスト アクロ』を描かれていますが、こちらともガラリと作風が変わってます。


とにかく、今作『幻狼潜戦』は多数の悪意と疑念が渦巻く中で、ウルトが麗央との絆だけを信じて苦闘を繰り広げる、かなりダークでハードな雰囲気の作品となっています。

本作を諜報戦ものとして見た時の特徴の一つとして、ウルトが「他人が自分に悪意を向けているか見抜ける能力」を持っている点が挙げられます。
これによって「他人が嘘をついているか否か」が間接的に分かるような仕組みになっており、まさに人狼ゲームのごとく、読者側から推理を働かせることができる点がとても面白いです。

※ ※ ※

雰囲気は変わってもケモミミの核は変わっていないというか、ケモミミ率は桜井先生の作品の名でも随一となっています。

本作、「ケモミミ登場シーンの様式美」(「獣耳」→「尻尾」→「顔」または「尻尾」→「獣耳」→「顔」の順でコマ送りされる)を踏襲しつつ、かなり工夫がしてあって、獣人化するときにかけているメガネがはじけ飛ぶという描写がされるんですよね。
これによって変身の爆発的パワーが表現されるとともに、人間の耳が変化して狼耳になっていることが類推できるようになっていて、非常に新しく面白い表現だと思います。



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編集+異世界+ケモミミの織り成す異色のファンタジー!『仁科くんの編集冒険記』1巻

作家から原稿を取りに行くだけの簡単な雑用アルバイトだと思っていたら、その作家がいる場所は・・・異世界!?
「送り狼」のケモミミっ娘と一緒に、原稿回収のためだけに異世界を大冒険!!
ベテランラノベ作家・榊一郎氏原作で送る奇妙なファンタジー『仁科くんの編集冒険記~ラノベはダンジョンで創られる~』、単行本1巻が9月8日より発売中です!
仁科博樹(ヒロキ)は漫画研究会に所属する学生。
先輩に紹介されて、「ブチロードメディア」という出版社のアルバイトとして働くことになった彼は、仕事場となる「ライトノベル編集部」の部屋に入った途端、異世界に落とされてしまいました!

気がついてみるとイヌのような耳と尻尾を持った女の子が博樹の側にいます。
彼女――「送り狼のシグネ」が言うには、この異世界は「ブチロードメディア社の地下カンヅメ用ダンジョン」であり、博樹の仕事はここに「カンヅメ」にされた作家から原稿を回収することだというのです。

理解を超えるあまりにもややこしい状況に、バイトを辞めたいと言いかける博樹ですが、そもそも原稿回収の「仕事(クエスト)」をしないと異世界(ダンジョン)から脱出できないこと、そしてシグネが熱心にお願いしてくることから、とりあえず原稿回収の仕事を受諾することにしました。

しかし、その回収先の作家はなぜか竜の姿になっていて、まともに人語も通じない状況になっており、原稿回収のはずが予想外のドラゴンバトルになってしまいますが・・・!

果たして博樹の運命やいかに!?

 ※ ※ ※

異世界にいる作家・イラストレーターが自作品の「異世界」のイメージを具現化してきて、博樹たちがそれに対抗するために悪戦苦闘する、というメタ的な要素が強い、かなり捻った異世界転移ファンタジーです。

作中作品の設定やストーリーを語るシーンも多く、『編集冒険記』のタイトル通り、現実の創作に関する熱意や苦悩、編集作業をネタにしたような場面も多数描かれます。でも、見た目の世界観全体はファンタジー異世界、というのが不思議な感覚です。

 ※ ※ ※

榊一郎氏の作品ってわりとケモミミ登場率高いのですが、言説をたどっても榊氏自身がケモミミがお好きなのか、それとも読者人気を計算してキャラクターメイキングしているのかが判断できないんですよね。氏の創作姿勢だとどちらもあり得るなあと感じるので。

『アウトブレイク・カンパニー』のエルビアをはじめ、『誰が為にケモノは生きたいといった』のタビタなど、氏の描いたケモミミヒロインは多数いますが・・・

今作の送り狼シグネはそんな榊一郎ケモミミヒロインズの中でもトップクラスに超カワイイんですよ!!!(当ブログ比)
全体的な態度はぶっきらぼうでクールな感じなんだけど、人の役に立ちたいと頑張る感じとか、わんこ感がかなり強い。見た目もモフモフ感があって超カワイイ。

※ ※ ※

獣耳キャラクターを絵にした時の特徴として、獣耳を「漫符」(漫画的な感情表現)的に使うことができるという点がありますが、もう一つ重要な表現として「見えない気配を感じる」「微かな音を感じる」という状況を「獣耳を動かす」という一コマで表現することができる点があります。
本作でも下のコマのように効果的に使われています。
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『仁科くんの編集冒険記』1巻P47(ストロマ/榊一郎/株式会社ブシロードワークス)


獣耳の無い人間キャラクターだと「何かに気付いたような「ハッ」とした表情」→「周りを見渡す」といった感じで二コマ以上使わないと表現できないのですよね。

本作、ケモミミに関してなかなかこだわりのある描写が多く(例えば、シグネは右耳に重そうなイヤリングを付けているので、右耳が常に下がっている)、ストロマ氏の作画表現も冴えわたっています。


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